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今日の福岡は幸いにも梅雨の中休みで雨に降られることなく、午後1時から門前集会を行うことができました。
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今日の法廷で意見陳述が予定されている原告15番さんからは「思いのたけをぶつけてきます」という力強い決意表明がありました。集まった支援者のみなさんからは「後ろで見守っているよ」、「応援しているので、勇気をもって裁判長に訴えて!」といった暖かい励ましの言葉をいただきました。
![集会で意見陳述に向かう意気込みを語る九州原告15番さん(右)](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sadd02d49008ac59f/image/iae29395a1c6ac8b9/version/1563362249/image.jpg)
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集まった支援者のみなさんからは「後ろで見守っているよ」、「応援しているので、勇気をもって裁判長に訴えて!」といった暖かい励ましの言葉をいただきました。
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こうした声に支えられて、午後2時少し前に開廷した101号大法廷では、原告番号15番さんが3人の裁判官と向かい合い、意見陳述を行いました。
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15番さんは中学1年のとき、学校でHPVワクチン接種を勧めるプリントの配布を受けたことをきっかけとして、同級生とともに何の疑いも感じることなく接種を受けました。その後半年ほどすると頭痛などの症状が出現するようになり、中学2年の夏には症状が悪化し、ハンマーで殴られるような頭痛だけではなく、雨の中、路上で失神した状態を近所の人に発見されたこともありました。
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そうした中でも、15番さんは外交官になりたいという夢を持って私立高校に特待生として入学しましたが、高校1年の2学期からは大学病院を受診するようになりました。3学期には足が痺れて動かなくなり、春休みには入院加療を余儀なくされました。何とか高校2年に進学することはできましたが、特進クラスに残ることはできず、特待生の資格も失ってしまいました。大好きな学校だったのに、体調不良で登校することができず、出席日数が足りなくなって留年が決まりました。そして、15番さんは治療に専念するために高校を2年で中退することを余儀なくされたのです。
その後15番さんは高校卒業認定試験に合格して大学に進学しましたが、最近ではてんかん様の発作も出現するようになり、20歳となった今も体調に不安を抱えたままの生活が続いています。
1楽しく充実していた高校生活を途中で終わらせなければならなかった時のつらさ。前向きに励ましてくれていた母が、初めて涙を見せたときのこと。過去を振り返って15番さんが声を詰まらせる姿を、大勢の傍聴人が静かに見守りました。
最後に15番さんは、被告らに対し、一日でも早く治療法を確立してほしい、被害から逃げずに向き合ってほしいと訴えて、意見陳述を終えました。
![報告集会で弁護団意見陳述の内容を説明する中山弁護士](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sadd02d49008ac59f/image/i4c16ec83c91008d8/version/1563362211/image.jpg)
続いて弁護団からは、中山篤志弁護士より、被告GSKと被告MSDが国とともに不法行為責任を負うことについて意見陳述しました。中山弁護士は、被告企業らが実施したTVCMを例に挙げ、子宮頸がんの啓発という外形を装いながら、子宮頸がんの危険性を過度に強調して自社製品のはかるという不当なマーケティング活動が展開されたことを説明し、医薬品の安全を守るべき立場であるはずの被告企業らが繰り広げた不当なロビー活動やマーケティング活動の実態をわかりやすく説明しました。
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期日終了後に弁護士会館で行われた報告集会では、まず15番さんに法廷での意見陳述を終えた感想を話していただきました。高校を中退しなければならなかったことについて司会者から問われると
「高校の中退については受け入れるしかないし、過去を振り返ってもしょうがない。その時の自分では送ることができなかった人生を今送っていると思うようにしている」
と答えてくれました。これまで幾多の苦難があったのだろうと思いますが、深刻な副反応被害を正面から受け止めて自分なりに咀嚼し、前向きに歩いていくことを決意した15番さんの発言に、勇気づけられた参加者も少なくないと思います。
「いまだに泣くこともあるし、悔しくなることもあるが、意見陳述を通して前向きに生きていることを知らしめたいという思いで法廷に立ちました。これからも心因性ではないということを訴えていきたい」
こうした15番さんの思いは、きっと3人の裁判官にも届いたはずです。
また中山弁護士からは、法廷での意見陳述に関連して、被告企業によるロビー活動やマーケティング活動は、これまでの数々の薬害被害者の方々による積み重ねの成果をくぐり抜けるような形で行われており、これ
によって国の政策が望まれない形で著しく歪められてしまったことを、来場者に解説しました。
本日も大勢の方に報告集会にご参加をいただき、傍聴席から法廷を見つめた感想などを語っていただくことができました。
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ハンセン病回復者の本当の人権回復と社会復帰に向けて共に歩む会大分の山崎兼雄さんからは、「15番さん、素敵な意見陳述でした。副反応が心因性によるものでないことは、原告の方々の家族が一番知っている。みな『あんなに元気だった我が子がこうなってしまった』と言っている。被告企業による主張は全くの自己矛盾だ」という力強い言葉をいただきました。
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HPVワクチン薬害訴訟を支える会九州の猿渡圭一郎共同代表(薬剤師)からは、「今日の被告企業らの意見陳述から、なりふり構わずロビー活動をして何とか儲けようとしている姿があぶり出されたのではないか。小さな学習会でも良いので、こうした事実を伝えていきましょう。15番さんをはじめ、これまで深刻な被害を話してくれた被害者の方々に敬意を表したい」という温かいお言葉をいただきました。
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最後に九州原告団代表の梅本邦子さん(九州原告1番梅本美有さんの母)から、「今日は自分たちが間違っていないことに確信を深めることができた。これからも後押しや応援をお願いします」と挨拶し、これからも続く闘いに向けた新たな決意を皆で固めて、集会を終えました。
次回は2019年10月16日午後2時開廷です。引き続き是非傍聴にお越し下さい。