名古屋訴訟

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HPVワクチン名古屋訴訟支援ネットワークのFacebookページのご案内

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ご案内:名古屋期日 2023年5月29日(月)

 2023年5月29日(月)午後2時より、名古屋地方裁判所1階大法廷において、HPVワクチン薬害名古屋訴訟の口頭弁論期日が開かれます。

 

 東京、大阪、福岡の各地裁に引き続き、今回の名古屋の期日でも原告側の専門家証人の人証申請を行い、次回、9月19日(火)の期日では、その専門家の方に直接法廷で証言いただくことになります。

 今回の期日は、専門家証人尋問前最後の口頭弁論期日です。弁護団からは、原告側から証人申請した専門家の概要を法廷で説明する予定です。

 

 当日は、午後1時から名古屋地方裁判所西側歩道での集会や入廷行動を行います。また、期日終了後には、桜華会館で報告集会も行います。

 どなたでも傍聴いただけますので、是非、法廷に足を運んでください。

 

※詳細は上記案内をご確認ください。

 

名古屋訴訟支援ネットワーク総会が開催されました

 2023年3月4日(土)、第6回HPVワクチン名古屋訴訟支援ネットワークの総会が開かれました。

 

 総会開催に合わせて、午前11時から名古屋駅前で、これも久しぶりとなります街頭活動を行いました。名古屋支援ネットワークの皆さんを中心に、原告団、弁護団が一体となって、原告さんにデザインしてもらって作成したポケットティッシュを配りながら、HPVワクチンの副反応被害について知って欲しいと呼びかけました。

 通行者の方々も、休日にそれぞれご予定のある中であったと思いますが、私たちの呼びかけに足を止めていただいたり、中には話しかけていただける方もいらっしゃり、大変励みになりました。

【街頭で配ったポケットティッシュ(左上)と街頭活動の様子】

 1時間ほどの呼びかけでしたが、700個ほどのティッシュを配ることができました。少しでも多くの方に、この問題に関心を持っていただけるとありがたいです。

【当日の成果:500個入りの段ボール箱を2箱準備して臨みました】

 総会に引き続いて、総会記念講演として、「知って欲しい、HPVワクチンのほんとうのこと」と題して、東京支援ネットワーク代表の隈本邦彦さんに、約1時間30分にわたってお話しいただきました。

【講演をする隈本さん(左)と会場の様子(右)】

 隈本さんからは、国や製薬企業がHPVワクチンに安全性・有効性があるとする根拠とされている論文や報道には、本来注目されるべき情報・視点が欠けているという問題点を、大変わかりやすく解説いただきました。

【当日のスライドの抜粋】

 隈本さんの講演終了後には、オンラインで参加いただいている各地の支援者の皆様からも、各地での活動報告や激励の言葉をお寄せいただきました。

 

 会場・オンラインを合わせて50名ほどの方々に参加いただくことができましたが、中には前回の名古屋期日等をきっかけにはじめて参加いただいた方もおり、地道な活動の成果が少しずつでも広がっていることを改めて感じました。

 

 引き続き、原告、支援の皆さんと一緒になって、引き続き活動して参ります。

 どうか、少しでも多くの方に、この問題に関心を持っていただき、ご支援をいただきますよう、お願いいたします。

意見陳述 ~被告国の研究班が明らかにした被害実態:2023/2/20 名古屋地裁口頭弁論

 2023年2月20日に名古屋地方裁判所大法廷で開かれた第15回口頭弁論で、弁護団の柄沢弁護士より、厚生労働科学研究「HPVワクチンの安全性に関する研究」に基づいた意見陳述を行いました。

 意見陳述の内容(全文とスライド)をご紹介します。


 昨年12月に約3年振りに開かれたこの裁判の前回口頭弁論では、原告14番の女性が、自らの被害の実情について意見陳述を行いました。

 彼女は、中学生のときに被告GSKが製造するHPVワクチンであるサーバリックスを3回接種した後に、経験したことのない強い生理痛や左腕の痛み、しびれといった症状を感じるようになりました。高校に進学する頃には、教室の場所を覚えられないというような記憶力の異常も加わるようになり、強い倦怠感のため、登校できた日でも、ベッドに横になって授業を受けるといった状態でした。

 こうした症状に耐えながら何とか医療関係の大学に進学した後も、足の脱力で転倒するため、装具が必要となりました。中学生のころから様々な病名が疑われましたが、診断はつかず、病歴や脳血流の画像検査の結果などから、HPVワクチンに関連して免疫の異常が生じているのではと指摘され、免疫を抑えるための治療を受けるようになりました。しかし、効果は数か月程度しか続かないため、今も遠隔地の大学病院での定期的な治療を必要としています。

 大きな苦労を重ねながら大学を卒業し、臨床現場での仕事に就職したものの、異常な倦怠感に襲われながら、休める時間はすべて休養にあて、いつ今の仕事を続けられなくなるのではとの不安に怯えながら、すがるような思いで1日1日働いている、そのような現実をこの法廷で説明しました。

  このように、HPVワクチン接種後に、原告14番と同様の被害に苦しむ女性たちの実態は、被告国の設置した研究班が実施した調査によっても既に詳細に把握されています。

 今回、原告らは、厚生労働科学研究として行われた「HPVワクチンの安全性に関する研究」の報告内容を準備書面で取り上げました。この研究は、川崎市健康安全研究所長の岡部信彦氏を代表者とする国の研究班(岡部班)が、HPVワクチン接種後に有害事象を生じた患者を対象として、長期的な症状経過や予後、さらには日常生活における不具合などを調べたものです。

 平成30年度より実施された調査結果は、一昨年2月に総括研究報告書としてとりまとめられており、昨年3月からは、国が設置するデータベースを通じて公開 されています。

 以下では、この研究を「岡部班調査」といいます。

 岡部班調査は、国内でHPVワクチン接種後に健康上の不具合を生じたことがあり、かつ、患者やその親権者から研究参加の同意を得られた者を対象としたWebアンケート方式で実施されました。回答が得られた41名はいずれも調査実施時点で20代となっており、また、HPVワクチンの接種時期は、緊急促進事業が開始された翌年の2011年に接種した者が最多でした。

 こうした年齢層や接種時期は、この裁判の原告らと共通しています。

  岡部班調査の結果において最も注目されるのは、回答者のすべてが、HPVワクチン接種後に複数の多様な症状を呈していたという点です。

 このスライドで引用したグラフは、HPVワクチン接種後に出現した症状について、感覚系、自律神経系、運動系、認知機能系の各領域の上位4項目を示したものですが、各領域の症状を有する割合はいずれも90%を超えていたことが報告されています。

 前回意見陳述を行った原告14番の症状も、左腕の激痛、異常な倦怠感、足の脱力、記憶力の異常等、ここに挙げられた4つの領域に広くまたがるものでした。原告14番をはじめとするこの裁判の原告らの症状に基づいて私たちが主張してきたように、HPVワクチン接種後の重篤な副反応の症状には、感覚・自律神経・運動・認知といった幅広い領域にわたる症状が重層化するという共通性がみられることが、国の研究班の調査によっても同様に明らかにされているのです。

  症状出現までの期間については、回答者の約半数が接種後3か月以上となっており、接種後6か月以上経って初発症状が見られた者も、約34%にのぼっています。

 このように、HPVワクチン接種から遅発性に症状が発症することが少なくないという点も、原告らに見られる症状の発現様式と合致しています。

  岡部班調査では、こうした症状に対して、起立性調節障害、ADEM、慢性複合性局所疼痛症候群(CRPS)、線維筋痛症、慢性疲労症候群といった、自己免疫性疾患に分類される診断名を付けられた患者が多数にのぼることも判明しています。こうした点も、原告らが主張してきたとおり、HPVワクチン接種後に生じた症状が免疫介在性の神経障害であることを示すものと言えます。

 そして、幅広い領域に多彩な症状を呈するという共通性をもつ患者らに対して、臨床現場で様々な診断名が付けられてきたという事実は、個々の診断名にのみ着目して疫学調査を行ったとしても、HPVワクチン接種後の被害の全体像を拾い上げることが困難であることを示しています。これは、これまでに知られた特定の疾患の発生率に焦点を当てた疫学調査ではHPVワクチンの安全性を評価することができないと原告らが主張してきたことを裏付けるものです。

  岡部班調査では治療の実施状況も調べられています。その結果をみると、実施された治療のうち「最も効果があったと感じた治療」の筆頭は免疫抑制剤であり、3番目には血液浄化療法、すなわち免疫吸着療法が挙げられています。

 これらはいずれも、従来から免疫が関連する疾患に対して行われてきたものであり、免疫学的治療と呼ばれています。こうした治療の効果が実感されているという事実も、原告らの病態が、免疫介在性の神経障害であることを裏付けるものと言えます。

  岡部班は、調査対象となった患者の日常生活への影響などについても調査を行っていますが、回答者の実に98%が、1ヶ月に21日以上、すなわちほとんど毎日のように日常生活に支障が生じていると回答しています。

  自由記載による回答では、せっかく受診した医療機関で真摯に向き合ってもらえず、治療費の負担も重なっていたり、就業先・就労先での副反応に関する理解が浸透していないといった声が寄せられており、回答者全員が、生活上の各場面における社会的支援が必要であるとも回答しています。

 接種から10年以上が経過した現在においても、今なお深刻な被害が続いていることが、国の研究班の調査結果によっても明らかとされているのです。

  このように、厚生労働科学研究である岡部班調査の結果からも、HPVワクチン接種後に重篤な免疫介在性の神経障害を呈すること、そして、本訴訟の原告らを含む副反応被害者に対する速やかな被害救済と治療方法の確立が必要であることが示されています。

 国の研究班がこうした実態を明らかとしているにも関わらず、被告企業らは、被害者らの重篤な症状との因果関係を否定し、被告国もまた、被害者に対する必要な支援策を講じておらず、被害救済や社会的支援を求める被害者らの声は、なお置き去りにされたままです。

 岡部班調査の結果でも明らかとなった、今なお続く日々の深刻な被害を速やかに回復するためにも、そして、これ以上新たな被害を拡大させないためにも、この訴訟において被告らの法的責任が明らかにされなければなりません。

名古屋期日傍聴のご案内 2月20日(月)14時00分

 2023年2月20日(月)午後2時より、名古屋地方裁判所1階大法廷において、HPVワクチン薬害名古屋訴訟の口頭弁論が開催されます。当日は、弁護団が意見陳述を行い、提出した書面についてわかりやすくポイントを説明する予定です。

 口頭弁論期日に先立ち、当日午後1時より裁判所外(名古屋地方裁判所西側歩道)で集会や入廷行動を行いますし、口頭弁論期日終了後にも、会場を桜華会館に移して、裁判所でのやりとり等についての報告集会も予定しています。詳細は、上記の案内をご参照ください。

 どなたでも傍聴いただけますので、大勢の皆様のご来場をお待ちしています。

 

※法廷ではマスクの着用が必要です。また、期日前後の集会でもマスク着用をお願いします。

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傍聴案内:2023年2月20日HPVワクチン薬害名古屋訴訟口頭弁論
230220 nagoya-bocho.pdf
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名古屋訴訟・第14回口頭弁論期日が開かれました

 2022年12月22日、年の瀬も差し迫った中、HPVワクチン薬害名古屋訴訟第14回口頭弁論期日が開かれました。今回は、コロナ禍のために口頭弁論期日が開かれなくなってから、実に3年ぶりの公開法廷での期日となりました。

【期日当日の入廷行動の様子】

 当日は、朝から天候が危ぶまれる中ではありましたが、入廷前に一瞬の晴れ間に恵まれ、期日前集会、入廷行動を行うことができました。

 久しぶりの公開法廷での期日でしたが、原告さんのご家族や支援者の方々のほかにも、大勢の傍聴者やメディアの方に傍聴席までご来場いただくことができました。

【期日前集会でコメントする谷口鈴加さん(名古屋原告団代表・名古屋原告1番母:左下)と

長南謙一さん(名古屋支援ネットワーク代表:右下)】

 法廷では、名古屋原告14番の女性が裁判官の前で意見陳述を行いました(意見陳述の全文はこちら)。

 医療の道を志して高校進学したものの、高校生活のほとんどが痛みやしびれ等の症状との闘いであったこと、やっとの思いで大学に進学してからも、長期休暇は治療のための入院生活となり、病院に教科書を持ち込むなどしてなんとか勉強をしていたこと、努力の結果、医療の現場で働くという希望はかなったものの、今度は長期休暇が取りにくいことで治療が続かなくなってしまったことなど、これまでの被害や生活状況についてお話しいただきました。

 また、原告14番さんからは、このようにやっとの思いで希望した職業に就いたものの、副反応症状のためにいつ仕事を失うかもしれないことへの怖さ、この裁判を通じて、1日も早く治療法が確立され、経済的不安なく治療を受けることができるようになってほしいという思いも、裁判官に伝えました。

 このように、勇気をもって原告14番さんが意見陳述をされた様子からは、傍聴席に詰めかけた多くの方々にも、HPVワクチンがもたらした被害の深刻さと被害者のおかれた厳しい社会状況が伝わったものと思います。

 期日を終えてからは、裁判所近くの桜華会館に移動し、報告集会を行いました。この間も、オンラインでは集会を行っておりましたが、会場を設置しての開催は3年ぶりとなりました。当日は、ハイブリッド方式でネット中継しながら、全国各地の方にもご参加いただき、会場参加者のみなさんと交流を深めることができました。

 報告集会では、久しぶりの法廷での期日を終えての感想を、原告の皆さんに一言ずつお話しいただいたほか、オンラインも含めご参加いただいた支援者の皆様にも心強い激励のメッセージをお寄せいただくことができました。

【原告・落合晴香さん(左)と谷口さんに期日を終えての感想をいただきました】

【HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さんからオンラインで励ましのコメントをいただきました】

【挨拶をする各地弁護団メンバー:左から堀(名古屋)、水口(東京)、山西(大阪)、小林・富永(福岡)弁護士】

 報告集会終了後、弁護団と原告14番さんとで司法記者クラブでの記者会見に臨み、本日の法廷での状況や、意見陳述の内容を説明しました。ここでも、原告14番さんには、ご自身の言葉でこれまでの被害やこの裁判に期待するところをお話しいただき、記者の方々からもたくさんの質問が寄せられました。

【弁護団とともに記者会見に臨む原告14番さん】

 本当に久しぶりの法廷で、弁護団もこれまでのことを色々と思い出しながらの対応ではありましたが、なんとか無事に1日終えることができ、ほっとしています。 

 

 次回期日は、2023年2月20日(月)午後2時です。予定では、次回も公開法廷での期日となっております。来年からはいよいよ専門家証人の尋問も始まります。ぜひ、大勢の方に裁判や集会に足をお運びいただき、活動を盛り上げて参りたいと思います。


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