これまでのあゆみ

 

 

2015年(H27) 
3/31 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が全面解決要求書を提出
2016年(H28) 
3/30 被害者が提訴方針を公表
7/27

合計63名の被害者が4地裁(東京・名古屋・大阪・福岡)に一斉提訴

全国弁護団が提訴声明を発表

HPVワクチン薬害訴訟東京原告団、同大阪原告団、同九州原告団が発足

8/7 HPVワクチン薬害訴訟名古屋原告団設立が発足
8/20 HPVワクチン薬害訴訟全国原告団設立総会開催(東京)
8/23 全国原告団が全国薬害被害者団体連絡協議会に加盟
9/28

九州訴訟第1回口頭弁論(福岡地裁)

11/8

大阪訴訟第1回口頭弁論(大阪地裁)

11/29

名古屋訴訟第1回口頭弁論(名古屋地裁)

12/14

第2次全国一斉提訴(4地裁合計57名)。原告総数は119名に。

12/26

「全国疫学調査」に対するコメント(速報版)を公表

12/30

「全国疫学調査」に対するコメント詳細版を公表

2017年(H29)

1/11

九州訴訟第2回口頭弁論(福岡地裁)

1/23

全国疫学調査に関する要望書を提出

2/13

東京訴訟第1回口頭弁論(東京地裁)

2/14

大阪訴訟第2回口頭弁論(大阪地裁)

3/2

名古屋訴訟第2回口頭弁論(名古屋地裁)

3/22

九州訴訟第3回口頭弁論(福岡地裁)

4/24

「全国疫学調査」追加分析結果に対するコメントを公表

5/10

東京訴訟第2回口頭弁論(東京地裁)

5/18

名古屋訴訟第3次提訴(名古屋単独6名)。原告総数は125名に。

5/23

大阪訴訟第3回口頭弁論(大阪地裁)

6/14

九州訴訟第4回口頭弁論(福岡地裁)

6/30

名古屋訴訟第3回口頭弁論(名古屋地裁)

8/8

大阪訴訟第4回口頭弁論(大阪地裁)

8/23

東京訴訟第3回口頭弁論(東京地裁)

9/13

九州訴訟第5回口頭弁論(福岡地裁)

10/31

名古屋訴訟第4回口頭弁論(名古屋地裁)

11/7

大阪訴訟第5回口頭弁論(大阪地裁)

11/22

東京訴訟第4回口頭弁論(東京地裁)

12/13

九州訴訟第6回口頭弁論(福岡地裁)

12/21 名古屋訴訟第5回口頭弁論(名古屋地裁)
12/21 「HPVワクチン接種後に生じた症状に関する新たなエビデンスの有無についての検討」の見直しを求める意見書を提出
12/22

日本産科婦人科学会に要望書を提出

厚労省合同部会によるHPVワクチンのリーフレット改訂案の重大な問題点について記者会見

2018年(H30)
1/19

HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書を提出

2/14

東京訴訟第5回口頭弁論(東京地裁)

2/20 大阪訴訟第6回口頭弁論(大阪地裁)
3/6 名古屋訴訟第6回口頭弁論(名古屋地裁)
3/14 九州訴訟第7回口頭弁論(福岡地裁)
3/24 国際シンポジウム「世界のHPVワクチン被害は今」に参加
4/26 海外の被害者団体ともにHPVワクチンに関する共同宣言2018を公表
5/29 大阪訴訟第7回口頭弁論(大阪地裁)
5/30 東京訴訟第6回口頭弁論(東京地裁)
6/1 名古屋訴訟第7回口頭弁論(名古屋地裁)
6/13

九州訴訟第8回口頭弁論(福岡地裁)

6/14

声明「HPVワクチンの積極的勧奨中止から5年を迎えて」を発表

6/29 声明英語版公表:Five Years Since the Suspension of Proactive Recommendation of the Human Papillomavirus (HPV) Vaccine in Japan
8/7

厚労省によるHPVワクチンの情報提供の評価手順の誤りについて意見書を公表

8/8

東京訴訟第7回口頭弁論(東京地裁)

8/23-24

薬害根絶デーに参加

9/11

大阪訴訟第8回口頭弁論(大阪地裁)

9/19

九州訴訟第9回口頭弁論(福岡地裁※今回より新庁舎)

9/20

名古屋訴訟第8回口頭弁論(名古屋地裁)


活動報告

各地裁での期日の様子は、各地訴訟のページをご覧下さい。


第19回薬害根絶デーに参加しました

加藤勝信厚生労働大臣(左端)にHPVワクチン被害者の実情をまとめた書面を手渡す東京原告の園田絵里菜さん(中央手前)と山田莉奈さん(中央奥)
加藤勝信厚生労働大臣(左端)にHPVワクチン被害者の実情をまとめた書面を手渡す東京原告の園田絵里菜さん(中央手前)と山田莉奈さん(中央奥)

 1999年8月24日、厚生省(当時)は薬害エイズ事件を反省し、薬害再発防止を決意する「誓いの碑」を建立しました。その翌年から8月24日は薬害根絶デーとして、全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)が毎年国との間で薬害根絶に向けた交渉を行ってきました。

厚生労働省ウェブサイトでも「誓いの碑」の由来が紹介されています。
厚生労働省ウェブサイトでも「誓いの碑」の由来が紹介されています。

 第19回を迎えた今年も、HPVワクチン薬害全国原告団は、薬被連の一員として、薬害根絶デーの各行事に参加しました。

 まず、薬害根絶デー前日である8月23日の夜には、東京都内でで前日集会が開催され、約140名が参加し、薬害の歴史や現状について学びました。

 水口真寿美弁護士(全国弁護団共同代表)からは、全国4地裁で進行中のHPVワクチン薬害訴訟の現状を説明しました。

 水口代表はHPVワクチンの副反応被害が海外でも発生していることを、今年3月の国際シンポジウム「世界のHPVワクチン被害は今」でスペイン・コロンビア・イギリス・アイルランドの被害者団体から報告された内容を説明し、HPVワクチン薬害は、薬害のあらゆる要素をはらんだ薬害事件であり、必ず勝たなければならない裁判であることを伝え、来場者に引き続きの支援を求めました。

 続いて東京原告団から、山田莉奈さんと原告15番さんが登壇し、それぞれの想いを来場者に伝えました。

 山田さんは、強い痛みを中心とした副反応による被害を周囲に理解してもらえず孤独感を覚えていたけれども、提訴したことで自分を支えてくれる多くの人たちがいることを知ることができたことを語り、今もかつての自分と同じように孤独感を抱えたままの被害者がいるはずであり、そうした子たちへの継続的な支援をお願いしたいと会場に呼びかけました。

 車椅子で壇上に挙がった東京原告15番さんは、接種前はバスケットボール部で活躍していたのに、接種後には階段を昇ることもできなくなったことや、まだ子供である自分の意見を伝えていくためには裁判を起こすしかないと決意して訴訟に参加したことを説明しました。そして15番さんは、これからも声を上げ続けていきたいという覚悟を持っていることを、大勢の来場者に伝えました。

壇上から提訴に至った決意と思いを伝える東京原告15番さん
壇上から提訴に至った決意と思いを伝える東京原告15番さん

 続いて会場では、『過去の薬害と被害救済制度』とのテーマの下で、薬害スモン事件のドキュメンタリー映像が上映され、キノホルム製剤が惹起した未曾有の薬害の歴史と被害者の闘いの経緯を学びました。

 集会の最後には、この集会の企画と準備に携わってきた学生さんを中心とする支援者のみなさんから、『支援の輪を広げよう』というキーワードに基づく行動提起が行われました。

 壇上からの行動提起の呼びかけを受け、前夜集会の来場者全員で、被害者の生の声を聞き、周りに伝え、薬害被害に理解のある人を増やしていくことの大切さを、共有することができました。

 明けて8月24日の薬害根絶デー当日は、台風20号の上陸に伴う風雨が心配されましたが、幸いにも曇り空に時折晴れ間がのぞくという天候となりました。

 全国原告団からの参加者は、午前10時から薬被連による文部科学省交渉に加わって、薬害教育の一層の充実を文科省に要請した後、午前11時45分からは、厚生労働省前に移動してリレートークに参加しました。

 リレートークでは、様々な立場の方々から、現に進行中の問題であるHPVワクチン薬害について、その問題点を力図良くアピールする発言を、たくさんいただくことができました。

隈本邦彦HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表世話人(大学教授・科学ジャーナリスト)
隈本邦彦HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表世話人(大学教授・科学ジャーナリスト)
廣田憲威さん(薬剤師・大阪民医連)
廣田憲威さん(薬剤師・大阪民医連)
山添拓参議院議員(共産党)
山添拓参議院議員(共産党)
武田せい子さん(薬害肝炎全国原告団)
武田せい子さん(薬害肝炎全国原告団)
菅直人衆議院議員(立憲民主党・元内閣総理大臣・元厚生大臣)
菅直人衆議院議員(立憲民主党・元内閣総理大臣・元厚生大臣)
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厚労省によるHPVワクチンの情報提供の評価手順の誤りについて意見書を公表しました


2018年8年7日

厚生労働大臣 加藤勝信殿

新リーフレットを全面修正しないままHPVワクチンの情報提供に関する評価を実施することの誤りについて

HPVワクチン薬害訴訟全国原告団 代  表 酒井 七海
HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団 共同代表 水口真寿美
共同代表 山西 美明

 厚生労働省は、平成30年7月23日に開催された第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成30年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(以下、「合同部会」という)において、HPVワクチンに関する情報提供の評価を実施する方針を明らかにしました。

 合同部会で配布された資料によれば、この評価は、平成30年1月に改訂されたHPVワクチンに関する厚生労働省リーフレットを前提とし、①全1741市町村を対象としたリーフレット活用状況等のアンケート調査、②2000名程度の一般国民を対象としたHPVワクチン等の情報把握状況に関するインターネット上のアンケート調査、③②の対象者から5組×2グループ程度を抽出した少人数聞き取り調査という3つの調査によって、「情報がどの程度、国民に届いているか」「届いた情報がどのように理解されたか」を評価する予定であるとのことです。

 しかしながら、当弁護団が本年1月19日に「HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書」で指摘したとおり、平成30年1月に改訂された新リーフレットには、HPVワクチンの多様な副反応症状が適切に記載されていない上、他のワクチンと比較して危険性が高いことや、接種後1ヶ月以上経過しても副反応が発症しうることが説明されていません。

 また、ワクチンの有効性の限界についての記載は不充分であって、子宮頸がん予防効果の不適切な推計が記載されており、不適切な「祖父江班調査」の結果が引用されている、HPVワクチンの副反応を「機能性身体症状」として説明する等の誤りが多数含まれています。

 特に、医療従事者向けのリーフレットには、学習障害・記憶障害が生じうることを小さいながらも記載したのに、本人や保護者向けのリーフレットには学習障害・記憶障害について全く記載していないという問題(別紙参照)は、国民に対して提供されるべき情報が恣意的に割愛されていることを示しており、極めて不当です。

 こうした誤った内容の新リーフレットを用いても、HPVワクチンに関する情報提供を正しく行えないことは、一定の費用をかけて厚生労働省が調査を行うまでもなく自明であり、HPVワクチン被害者からの全面修正の申入れを無視したまま上記①~③の調査を実施することは、、行政上の手順を誤ったものと言わざるを得ません。

 厚生労働省は、誤った新リーフレットの情報が国民にどうに伝わっているかを評価する以前に、原点に立ち返って、国民に何を伝える必要があるのかを再考すべきであり、被害者の声に耳を傾け、直ちに新リーフレットの全面修正を行うべきです。


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新リーフレットを全面修正しないままHPVワクチンの情報提供に関する評価を実施することの誤りについて
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Five Years Since the Suspension of Proactive Recommendation of the Human Papillomavirus (HPV) Vaccine in Japan

Interview at press club in Ministry of Health, Labour and Welfare (Second left: Ms. Nanami Sakai, Representative of National Plaintiffs Association) June 14, 2018
Interview at press club in Ministry of Health, Labour and Welfare (Second left: Ms. Nanami Sakai, Representative of National Plaintiffs Association) June 14, 2018

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statement

Five Years Since the Suspension of Proactive Recommendation of the Human Papillomavirus (HPV) Vaccine in Japan

June 14, 2018

 

National Plaintiffs Association for the HPV Vaccines Lawsuits in Japan

Representative   Nanami Sakai

 

National Attorneys Association for the HPV Vaccines Lawsuits in Japan

Joint Representative   Masumi Minaguchi

Joint Representative   Yoshiaki Yamanishi

It has been five years since the Japanese Government halted proactive recommendation of the HPV vaccine on June 14, 2013, claiming that it could not provide the public with enough information. Compared to other routine vaccinations, an average of over seven times the number of serious adverse effects per one million HPV vaccinations have been reported, and the number of disability certifications by the Adverse Drug Reaction Relief System is almost ten times higher. The government has put in place research groups and selected cooperating medical institutions for the HPV vaccine, but measures to prevent adverse effects and to provide treatment have yet to be established. The public cannot use the HPV vaccine with peace of mind.

The government officially endorsed the HPV vaccine nine years ago, and many of the victims who were junior or high school students at the time of their HPV vaccination have now grown into adults. However, they have received no effective medical treatment until now and suffer from serious adverse effects, not only pain spreading all over their bodies and involuntary movements, but perceptual disorders, impaired mobility, sleep disruption, impaired memory, and learning disabilities. While their classmates became working adults, they have been incapable of fully attending classes and have abandoned their plans for higher education or getting a job. With no medical institutions able to give them sufficient treatment, they see no bright future and live under a shadow of uncertainty as they struggle to cope with agonizing symptoms every day.

Similar cases have been also reported overseas. Groups of victims from five countries, UK, Spain, Ireland, Colombia and Japan, participated in an international symposium held in Tokyo in March this year, and published a Joint Statement in April, calling for the necessity of a fact-finding investigation, development of treatment methods, and support for daily life, education and employment.

In the meantime, studies on the adverse effects of the HPV vaccine have made solid progress and a number of results have been reported. Based on analysis of multiple cases, one study clarified that the adverse effects of a range of symptoms develop in a multi-layered manner over time. Another study reported changes in cerebrospinal fluid, cerebral blood flow, and peripheral nerves, etc. A third study reported that the HPV vaccine causes impaired mobility among other effects in vaccinated mice due to neurological damage. Finally, a fourth study indicated that individuals develop chronic ailments soon after receiving the HPV vaccine. A paper written by researchers from the WHO Collaborating Centre for International Drug Monitoring argues that previous signal evaluations and epidemiological studies have relied primarily on reporting of a specific diagnosis or single-symptom concept, and thus a focus on symptomatology and seriousness in combination with an investigation of the underlying pathology may be required to fully elucidate the safety signals.

The drugmakers GlaxoSmithKline PLC and Merck Sharp & Dohme Corp. have long ignored this progress and insist on resuming proactive recommendation of the HPV vaccine, adding that the Global Advisory Committee on Vaccine Safety (GACVS) in WHO and other overseas authorities have already approved the safety of the HPV vaccine. However, the epidemiological studies they rely on were not conducted with proper understanding of the adverse effects of the HPV vaccine and thus cannot be a basis for confirming safety. It has also become clear that there are conflicts of interests and a lack of neutrality in WHO.

At the current time, the overall Japanese HPV vaccination rate has dropped to less than 1 percent, and few new cases have been reported from clinical practices, but new victims will obviously emerge if the government were to resume proactive recommendation of the HPV vaccine. In January this year, although the government updated their HPV vaccine leaflets, those for girls to be vaccinated and their parents intentionally omit the risk of impaired memory and learning disabilities, delivering misleading information to the public. Far from resuming proactive recommendation of the HPV vaccine, what the government must do now is to remove the HPV vaccine from its routine vaccination list.

We call again for the government and drugmakers not to spread harm any further, and demand that they compensate for all the harm caused based on their legal liabilities, and take the necessary measures to develop treatment methods and establish a medical treatment structure to prevent more suffering, so that victims can live in peace in the future.

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積極的勧奨中止から5年:HPVワクチンの副反応被害者が置かれている状況

名古屋地裁司法記者クラブで症状を説明する名古屋原告14番の女性(2018/06/14)
名古屋地裁司法記者クラブで症状を説明する名古屋原告14番の女性(2018/06/14)

PDF版はこちらからダウンロードできます。


HPVワクチンの副反応被害者が置かれている状況(HPVワクチン薬害訴訟の原告らの状況)

2018/6/14

HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団

 HPVワクチンの副反応被害者らの多くは、12歳~16歳時に接種を受けました。被害者らは,副反応についての周知がなされない中、医師からさえも詐病扱いを受け、たいへんな思いをして医療機関を探しています。厚労省が指定した協力医療機関も機能しておらず,治療体制があるとは到底言えません。
 被害者らが副反応に苦しめられてきた接種後の数年間は、10代~20代という未来が切り開かれる筈の大事な時期です。そのような時期に、被害者らは、本来の学校生活を送ることができなくなり、同級生らからとり残され、将来の見えない生活を送っています。
 HPVワクチン薬害訴訟の原告123名(17歳~24歳)の現状は、以下のとおりです。

1 医療機関について

(1)原告らが接種後に受診した医療機関数

 

 1人あたりの平均受診医療機関数 13.4医療機関

  • 10病院以下:48名
  • 11~20病院:57名
  • 21病院以上:18名

(2)厚労省指定の協力医療機関の受診状況

 

 ①一度でも協力医療機関で受診したことがある原告  123名中105名

  ⇒  現在も協力医療機関を受診している原告  123名中30名


 ②現在も原告が利用している協力医療機関数   全国85病院中 10病院

  ただし,30名中20名は1病院に集中(鹿児島大学医学部・歯学部附属病院)
  ⇒この1病院を除くと、9病院で10名が受診しているのみ

(3)遠方の医療機関を利用せざるをえない状況

 

 居住する都道府県外の病院を受診した経験 123名中96名(約80%)

 

(例)

  • 北海道→静岡県へ
  • 関東地方→鹿児島県へ
  • 関西地方→東京都・鹿児島県へ
  • 中国地方→三重県へ

(4)医療機関(協力医療機関)における詐病扱いの状況


 多くの原告らは。医療機関で詐病扱いを受けており、厚労省指定の協力医療機関も例外ではない。

(原告らが,協力医療機関で受けた扱いの具体例)

  • 医師は,娘を見て, 「子宮頸がんのワクチンの副作用という動画をみてまねしている。演技しているだけ。」 というのです。そして,私(親)に向かって, 「親が騒ぐから治らない。」 「副作用と言って騒いでいる人たちの半分はそうです。」 「検査していいの? 検査して異常なしと言われて困るのはお嬢さんですよ。」 と言ったのです。
  • 「ワクチンとの因果関係を調べることはしていない,原因究明はしない。ワクチンのせいでこんなふうになったと思わない方がいい」 と言われました。
  • 「(国の責任なんて)絶対に認められない。今でも医療費がかかって国の財政が大変なのに,さらに補償を認めたら大変なことになる。線引きも難しい」 などと言われました。その上で 「どうする?(次の)予約とる?」 と聞かれました。予約はしませんでした。
  • 「私は,子宮頸がんワクチンによるものとは全く思っていませんし,ありえません。 症状は精神的なものによるもので,娘さんが嘘をついているだけです。」 と言われました。
  • 「本当にそうなの?」 「演技,うまいね。」 と言われました。
  • 「子宮頸がんワクチンに副作用はない。そんなのない。認めてほしいのか。」 と言われました。
  • 車椅子で連れてきた娘に,医師は,歩いてみて,と指示し,娘は車椅子から立ち上がってやっとの思いで歩きました。すると,医師は娘に向かって, 「ちゃんと歩いてくれる?」と言い, 「ワクチンの副作用のわけないからな。」 「何もすることないけど,予約する?」と言われました。
  • 「HPVワクチンの副反応は信じていない。一部の医者が因果関係があるというからマスコミが取り上げて,それを見た人が副反応だと言い出して困っている。」 「家庭や学校に問題がある。」 「この年で精神病院もねぇ。」 と言われました。

2 学校生活、中退・卒業後の生活について

(1)進路変更(進学断念、中退、通信制への進学先変更や転校)を余儀なくされた原告

 

   123名中 73名(約60%)

 

(内訳)

  • 高校または大学への進学を断念(受験を断念):18名
  • 進学したが中退(通学を断念):13名
  • 全日制への進学を諦めて通信制等へ進学(卒業,または在学中):19名
  • 進学後,通信制へ転校して卒業(または在学中):23名


注1)志望校や志望学部を変更していても,全日制の普通高校もしくは大学に進学している限り,進路変更としてカウントしてない⇒ 志望校や志望学部等の変更を含めた実質上の進路変更は73名より多い
 
注2)最終学歴でカウントしている

例:普通高校進学 ⇒ 通信制へ転校 ⇒ 大学進学断念の場合は「進学断念」でカウント


注3)原告123名中,留年経験者は20名。原告らにとって、通学を継続することがいかに困難であるかが判る。それとともに、原告らが、同級生らからとり残されてしまっても、なお、「学校に行きたい」との希望を持ち続けてきたことが判る。

(2)中退ないし卒業後,就職も進学もできず,自宅もしくは入院先で過している原告

 

   123名中 31名(約25%)


以上


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HPVワクチンの副反応被害者が置かれている状況
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声明:HPVワクチンの積極的勧奨中止から5年を迎えて

左から東京訴訟原告の望月瑠菜さん、酒井七海さん(全国原告団代表)、久永奈央さん(2018/06/14 厚生労働省記者クラブ)
左から東京訴訟原告の望月瑠菜さん、酒井七海さん(全国原告団代表)、久永奈央さん(2018/06/14 厚生労働省記者クラブ)
  • 声明PDF版はこちらからダウンロードできます。
  • 英語版はこちらからご覧下さい。

HPVワクチンの積極的勧奨中止から5年を迎えて

2018年6月14日
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団 代 表 酒井 七海
HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団 共同代表 水口真寿美
共同代表 山西 美明

 2013年6月14日に「国民に十分な情報が提供できない」という理由で、国によるHPVワクチン接種の積極的勧奨が中止されてから5年が過ぎました。他の定期接種ワクチンと比較すると、HPVワクチンの100万回接種当たりの重篤副反応報告は平均して7倍以上、副作用救済制度における障害認定数は10倍近くも高くなっています。国は研究班の設置や協力医療機関の選定を行いましたが、依然として副反応を防ぐ方策や副反応症状の治療法は未確立です。国民が安心して接種できる状況にはありません。

 HPVワクチンの承認から既に9年が経過し、接種時に中高生だった被害者の多くは成人となる年代を迎えていますが、今も有効な治療を受けられないまま、全身の疼痛や不随意運動のみならず、知覚障害、運動障害、睡眠障害、記憶障害・学習障害といった重篤な副反応症状に苦しんでいます。同級生が社会人となっていくのに、中学や高校へも満足に通学できず、思うような進学や就職を断念し、被害者を受け入れる医療機関も乏しい中で、先の見えない療養生活に強い不安を抱えつつ、日々の症状に耐え続けているのです。

 同様の被害は海外でも発生しており、本年3月に東京で開催された国際シンポジウムには日本を含む5カ国の被害者団体が参加し、4月には共同宣言を公表して、国際社会に対し、被害実態調査や治療法の開発、生活・教育・就労支援の必要性等を呼びかけました。

 この間、HPVワクチンの副反応に関する研究は確実に進展し、多様な症状が時間の経過とともに重層化していくという副反応症状の特徴を症例の集積に基づいて明らかにした研究、髄液・脳血流・末梢神経等の変化を報告した研究、マウスに神経変性による運動機能障害等が発生したことを報告した研究、接種時期と関連症状発現時期の重なりを示した研究などが積み重ねられています。これらの研究の中には、WHOの国際医薬品モニタリングの運用に関わる研究者らが、HPVワクチンによる副反応を正確に把握するためには、被害者が診断を受けた既存の疾患名のみを拾い上げるのではなく、多様な症状の組み合わせ(クラスター)に着目する必要があることを指摘した論文も含まれています。

 製薬企業(グラクソ・スミスクライン社、MSD社)は、こうした研究の進展を無視し、WHOのワクチン安全性委員会(GACVS)や海外の規制当局はHPVワクチンの安全性を認めているとして接種の積極的推奨の再開を求めています。しかし、その根拠とされる疫学調査は、HPVワクチンの副反応の特徴を正しく捉えて行われたものではなく、安全性の根拠とはなりません。また、WHOには、HPVワクチンに関する利益相反や中立性を欠いた姿勢が認められることも明らかになっています。

 現在、国内での接種率は1%以下となり、新規の被害発生は臨床現場からほとんど報告されていませんが、積極的勧奨を再開すれば、新たな被害者が再び生み出されることは必至です。本年1月に国はHPVワクチンのリーフレットを改訂しましたが、本人・保護者向けのリーフレットでは記憶障害・学習障害の危険性をあえて記載しておらず、国民には正しい情報すら伝えられていません。今、国がなすべきことは、積極的勧奨の再開ではなく、少なくとも定期接種からHPVワクチンをはずすことです。

 わたしたちは、国と企業が、これ以上被害を拡大させることなく、法的責任に基づいて、これまでに生じた全ての被害を回復し、被害者が将来にわたって安心して過ごせるよう、治療法の開発や診療体制の整備を含む必要な施策を行うことを、あらためて求めます。


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HPVワクチンの積極的勧奨中止から5年を迎えて
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HPVワクチン新リーフレット:「記憶障害・学習障害」の扱い
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HPVワクチンに関する共同宣言2018

 本日、HPVワクチン薬害訴訟全国原告団は、英国・スペイン・アイルランド・コロンビアの被害者団体及び薬害オンブズパースン会議・全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会とともに、「HPVワクチンに関する共同宣言2018」Joint Statement 2018 for the Victims of HPV Vaccines)を公表しました。

 これは2018年3月24日に東京で行われた国際シンポジウムの成果に基づくものです。

 また、本日、薬害オンブズパースン会議が、上記国際シンポジウムのビデオ配信を開始しましたので、あわせてご覧下さい。


HPVワクチンに関する共同宣言2018

 私たちは、英国・スペイン・アイルランド・コロンビア・日本のヒトパピローマウイルス・ワクチン(以下HPVワクチン)の被害者たちを代表して、2018年3月24日に東京で国際シンポジウムを開催しました。この会議の目的は、各国のHPVワクチンの被害者の実状を明らかにし、症状の軽減と回復への方策を探り、被害者の日々の活動を支援する方法について討議することでした。

 当初、HPVワクチンの被害は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、慢性疲労症候群(CFS)、体位性頻拍症候群(POTS)などに類似する症状として認識されましたが、まもなくその臨床症状と経過はさらに複雑なものであることが判明しました。HPVワクチンで報告された有害事象(AE)の臨床的特徴は、多彩な症状と、これらの症状が長期間にわたって重層的に出現することです。この有害反応の中には、以下のような多系統にわたる複合的な症状が含まれます。

  • 頭痛、筋肉痛および関節痛を含む全身痛
  • 麻痺、筋力低下、不随意運動、けいれんなどの運動機能障害
  • しびれおよび知覚障害/ 光と音に対する過敏症
  • めまい、低血圧、頻脈、下痢を含む自律神経症状
  • 呼吸機能障害
  • 月経異常、月経過多等の内分泌障害
  • 不安、幻覚、自殺傾向などの心理的症状
  • 過眠症、ナルコレプシーなどの睡眠障害

 これらの症状の結果、学習が阻害され、高度の疲労感や意欲低下を訴え、日常生活にも障害を来すようなケースも多くみられます。これらの症状の臨床的特徴は、今回のシンポジウム参加5カ国すべてに共通しており、そればかりでなく、シンポジウムに参加できなかった他の国々の被害者でも、きわめて類似の特徴が報告されています。
 また、HPVワクチンの有害事象報告は他のワクチンよりも圧倒的に多いことが、いずれの国でも共通して認められています。被害者たちのこれらの症状は、ワクチンの成分とその設計に起因することが、現在、多くの研究で示されています。

 にもかかわらず、保健当局や医療専門家たちはHPVワクチンと有害事象との因果関係を否定し続けています。ワクチンを推進している人々は、被害者たちの症状と有害事象との関連について無関心です。
 CRPS、CFS、およびPOTSの研究では、HPVワクチンの安全性に疑問が投げかけられていますが、これらの疾患は診断が困難で特異性がないという理由で、その研究は排除されています。一方、当局は、疫学分析を通じてワクチンの安全性が十分に確立されていると主張しています。

 しかし、その疫学的根拠には根本的に欠陥があります。その疫学的アプローチは、長期間にわたって重層的に症状が発現することを特徴とするHPVワクチン被害のシグナルを検出するには、設計が不適切です。十年にも及んで非常に高い抗体価を維持する、このワクチンの特異な作用機序が無視されています。このような長期間作用型ワクチンでは、被害者に非常に遅発性で様々な有害作用が現れたとしても何ら驚くことではありません。しかし、彼らの論理では、潜伏期間の長い有害事象報告はワクチンとの関連が否定され、多様な症状を示す症例は既知の別の疾患と診断されてしまうのです。
 一般に、ワクチンに起因する有害作用は、免疫学的介入に敏感で、脆弱な人々に起こりやすいのですが、これらの人々が一般集団の中で占める割合はきわめて小さいので、ワクチン接種群と対照(ワクチン接種を受けていない)群、あるいは一般集団との単純比較で自己免疫疾患の発生頻度を比べてみても、有意差は示されないでしょう。このように疫学的・統計的分析の適用を誤った議論をもとに、HPVワクチンの安全性を保証することはできません。このような偏った思考は、科学的調査の基本原則に完全に反し、公衆衛生における医療専門家の役割を危うくするものです。

 さらに驚くべき、かつ憂慮すべきことは、被害者が体験した社会からの対応です。 シンポジウムを通じて、参加したすべての国で、被害者が受けた対応がきわめて似ていることが明らかになりました。
 いずれの参加国でも、保健当局や医療専門家は、ワクチンとの因果関係を否定し、ワクチン接種後の有害事象を心因性、一種の機能性障害、あるいは詐病とみなしています。その結果、HPVワクチンの被害者たちは、適切な治療を受けられず、身体的苦痛だけでなく精神的苦痛にも耐えなければなりませんでした。
 WHOやEMAなどの国際機関も、各国の保健当局や政策立案者と同様に、疫学的分析により、HPVワクチンの安全性は適切に確立されていると主張し、被害者たちの主張には科学的根拠がないとして、その訴えを排斥しています。
 同じような無視と差別は、HPVワクチンによる有害事象が報告されているすべての国で驚くほどよく似ています。この国際シンポジウムに出席していない他の国の被害者も、それぞれの国の保健当局によって同じように扱われていることが分かっています。さらに、被害者とその親たちは、保健当局を信頼したからこそ、HPVワクチン接種に同意したにもかかわらず、いまは「反ワクチン派」と非難されています。

 過去の多くの薬害事件において、因果関係が科学的に完全に証明されるまでの過程において、安易に因果関係を否定し、被害者を無視し差別する過ちを冒してきました。この歴史の教訓に学んでいるでしょうか。同じ恐ろしい過ちを繰り返さなければならないのでしょうか。

 このような悲劇が世界規模で起こっていることを踏まえ、私たちは、政府、HPVワクチンメーカー、医療専門家、マスコミに次のように訴えます。

  • 中立的な第三者による、HPVワクチンを受けたすべての人々の健康状態の長期追跡調査を実施すること
  • HPVワクチンの副作用の効果的な治療法を開発する研究を促進すること
  • 被害者に対する治療を提供し、生活、教育、就労の支援を行うこと
  • HPVワクチンの接種に関し、インフォームド・コンセントに関する基本的人権に基づき十分な情報を得て決定ができるよう、子供、青少年、および親に対し、HPVワクチン接種によって生じる可能性のあるすべての副作用を記載した患者用情報小冊子を提供すること
  • リスクを全面開示しないままHPVワクチン接種を促進するような広告キャンペーンはすべて中止すること
  • 重篤な副作用の回避を保証するより安全なシステムが確立されるまでは、HPVワクチンを定期の予防接種として推奨することを中止すること
  • HPVワクチンの被害者に対する差別や中傷をやめること

2018年4月

薬害オンブズパースン会議
Rebuilding Hope Association HPV Vaccine Victims(コロンビア)
AAVP(Association of Affected People Due to the HPV Vaccine in Spain、スペイン)
AHVID(UK Association of HPV Vaccine Injured Daughters、イギリス)
REGRET (Reactions and Effects of Gardasil Resulting in Extreme Trauma、アイルランド)
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会(日本)
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団(日本)


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HPVワクチンに関する共同宣言2018
HPVJS2018J.pdf
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Joint Statement 2018 for the Victims of HPV Vaccines
HPVJS2018E.pdf
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海外の被害者との国際シンポジウムに参加しました

 2018年3月24日、東京大学浅野キャンパス内において、薬害オンブズパースン会議(Medwatcher Japan)の主催による国際シンポジウム「世界のHPVワクチン被害は今」が開催されました。

 会場は満席となり、多くのメディア関係者も来場するなど、海外の被害の実情に関する社会の関心の高さが強く感じられました。

 当日は、薬害オンブズパースン会議事務局長でもある水口真寿美HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団共同代表が、日本における被害と訴訟の状況について報告を行いました。

 続いて、海外から来日した4人のシンポジストが、各国での被害の重大さや診療態勢の欠如に加えて、国や製薬企業から不当に圧力をかけられている状況を報告しました。

 コロンビアの被害者団体(Rebuilding Hope Association HPV Vaccine Victims)の代表を務めるモニカ・レオン・デル・リオ(Monica Leon Del Rio)さん。

 スペインの被害者団体AAVP(Association of Affected People due to the HPV vaccines in Spain)の代表を務めるアリシア・カピーラ(Alicia Capilla)さん。

 イギリスの被害者団体AHVID(UK Association of HPV Vaccine Injured Daughters)の科学部門を担当するマンディープ・バディアル(Mandeep Badial)さん。

 アイルランドの被害者団体REGRET(Reactions and Effects of Gardasil Resulting in Extreme Trauma)の広報を担当するアンナ・キャノンさん。

 来日した4人のみなさんは、いずれも被害者の母親として、それぞれの国において、被害者運動の中心的な役割を果たしてきた方々です。また、弁護士でもあるコロンビアのモニカさんは、コロンビア国内でHPVワクチン薬害についてのクラスアクションを提起しています。

 いずれの報告者からも、このワクチンを接種した後に生じる副反応は、時間の経過を追って様々な症状が重層化していくという特徴を持っており、それぞれの国内で患者を多く診察する専門医らが、自己免疫性の疾患として病態を捉えながらその解明を進めようとしていること、そして、HPVワクチンを推進する立場の人々から「反ワクチン団体」であるかのようなレッテル貼りをされ、不当な非難や中傷にさらされていることが、共通して説明されました。

 各国からの報告を通じて、HPVワクチン被害は日本だけで起きている問題ではないこと、そして各国の被害者が、日本と同様に、医療から放置されているだけではなく、激しい攻撃に耐えながら戦い続けていることを、あらためて良く理解することができました。

 後半のパネルディスカッションでは、HPVワクチン薬害全国原告団の代表を務める酒井七海さんが、被害者本人として、このワクチンを接種してから現在までの間、さまざまな症状に苦しめられてきたことを報告しました。

 この日のパネルディスカッションを通じて、同じ症状に苦しむ被害者が国境を越えて交流し、ともに支え合ってこの問題に取り組んで行く必要があることを、このシンポジウムに参加した5カ国の関係者の共通認識とすることができました。

 満開を迎えつつある桜並木に見守られて開催された今回のシンポジウムによって、HPVワクチンの被害者は、国際的な連帯を拡大していくための新たな一歩を踏み出すことができました。

 弁護団としても、こうした連帯をさらに深めるための努力を継続していきたいと思います。

原告らの記憶障害・学習障害の深刻さ

 本年1月19日、HPVワクチン薬害全国弁護団は、全国の原告の多くが、記憶障害・学習障害といった症状にも苦しみ続けていることを、記者会見で公表しました。

 その際には、代表的な症状を訴える38名分の個別症状のエピソードを一覧表として公表しましたが、その後、本日までの間に、67名分の具体的エピソードを集約できましたので、以下のように一覧表を改訂しました。

 あらためてHPVワクチンの副反応被害の深刻さをご理解いただけると思いますので、是非ご覧下さい。

 改訂後の一覧表のPDF版はこちらからダウンロードできます。


 

HPVワクチン薬害訴訟
原告らの記憶障害・学習障害に関するエピソード

2018/2/6
HPVワクチン薬害訴訟全国原告団

※項目番号は原告番号ではなく、全国の原告から寄せられた記憶障害・学習障害に関する具体的エピソード67名分をランダムに並べてあります。

特徴的症状・エピソード
1 ・得意だった文章の要約が不得意に
・漢字がわからなくなり、文章の理解に時間がかかる
・世界史の暗記が苦手になる
・図形の平行線が平行に見えない
・学校内の教室の配置、行き方が覚えられず、一人で移動できない。
2 ・日常生活において、薬飲み忘れ、電気の消し忘れ、本を読むのが困難(内容が頭に入ってこない)等あり。現在は一時期より改善傾向だが、漢字が思い浮かばない、暗算のスピードも落ちている。
3 ・2016年4月ころから、記憶障害が出始めるが家族の事はまだ分かっていた。しかし4月22日の大きな発作の後はとうとう家族の事もわからなくなった。これまでも記憶障害はあったが、家族のことが判らなくなったのは初めてであった。現在は、記憶障害も学習障害もかなり回復していると感じているが、接種前の状態と比較すれば、そこまでは回復していない。今でも、普通の社会人としてアルバイト等をすることは容易ではないと感じている。
4 ・簡単な漢字が書けない、計算が遅くなる
・友人や祖母、母親もわからなくなる
・学校までの道や自宅もわからなくなる
5 ・家族との何気ない会話の内容を覚えていないことが度々ある。
・忘れ物,物忘れが多くなった
・漢字が思い浮かばなかったり,本の文字を追っていても内容が頭に入ってこなくなったりするようになった
・以前は分かっていた近所の人の顔や名前が一致しないこともある
6 ・友人の顔、自分のクラスの教室の場所がわからなくなる。
・漢字、ひらがな、数字も判別が困難になる。
7 ・物忘れがひどく、担任の先生の名前や友達の名前を忘れる。
・小学校3年生レベルの問題しか解けなくなった。
8 ・アルファベットを忘れる。
・計算が遅くなった。
9 ・学習したことを次の日にはほとんど忘れてしまっている。記憶が維持できない
・1つの学習課題をこなすために長時間を要するようになった
10 ・学校の先生の言っていたことを覚えていない。友人から、修学旅行のときのことを言われても覚えていない。
・アルファベットを忘れる。
11 ・会話の途中から、内容が理解できなくなる。
・漢字が思い浮かばない。
・直前に読んでいた本の肝心なところを忘れる。母親への伝達事項を忘れる。
12 ・道に迷う,買ったばかりの物を忘れてまた買う,自分の名前が書けない
・前の日勉強したことが覚えられずにテストができない
・人の名前や顔が覚えられない
13 ・物忘れが多くなり、記憶力が落ちた
・勉強しても覚えられない
・担任と後で話す約束をしたのに忘れて帰ることがあった
・簡単な暗算が不得手になった
14 ・計算(特に暗算)ができなくなり、例えば「10個のお菓子から3個取ったら何個残るか。」が分からない。
・漢字もスマホで調べないと思い出せない。
・駅から家までの道順が分からず、母親が迎えに行く必要がある。
・靴の左右が分からない。
15 ・一時期の記憶がなくなる
・友人の名前や鍵の暗証番号などを忘れるようになる。
・英語や数学の公式が覚えられなくなる
・集中力が落ちた
16 ・国語の試験の文章を読んでいる途中で、読んだ内容を覚えていられないため、何度も読み直さなければならない。
・文章を書き写すことが難しい。文章や言葉を覚えられず、1文字ずつ書き写している。
・計算をするのが遅くなった。数学の公式を忘れてしまい、覚え直そうとしたが、覚えられなくなってしまった。
17 ・テキスト、教科書が読めない(内容を把握できない)。
・読み慣れていたはずのピアノ譜面が突然読めなくなった。
・電子レンジ等の日常慣れ親しんでいた機器の使用方法が思い出せない。
18 ・急に忘れ物が増えた。
・国語の問題も理解するのが困難。計算ミスが増えた。
・数学の公式を習ったこと自体を忘れることがある。
・数字やアルファベットも思い出せなかったり,写し間違いしたりする。元素記号も間違えが多い。
19 ・前日まで勉強して覚えようとしても、翌日には忘れている。
・判断力の低下が顕著、英語の長文が頭に入ってこない。数学の問題を解いている最中に、それまで解いてきた過程を忘れてしまい、最後の解答にたどり着けない。
20 ・先生や友達の顔、自分の名前、母の顔、自分の顔、自分の住所がわからなくなる
・本が読めない(どこを読んでいるのかわからなくなるため。)
・先生の説明が途中でわからなくなる
21 ・物の名前や人の名前が出てきにくくなった
・名字や親の名前が分からない、覚えられない。小銭の計算、スマホのひらがな変換がしにくい
22 ・数学等の解き方を理解するのに以前より時間がかかる
・英語等の単語を暗記するのに時間がかかる
23 ・「名前」「誕生日」という問いかけの意味分からなくなった
・1000から順次7を引くという簡単な計算ができない
24 ・100から7を引いていく計算が正しくできない
・意識喪失後、意識が戻った際に今までの全ての記憶を失っていた。単に記憶を失っただけではなく、言葉を全く話せない。トイレの仕方も分からない、ご飯の食べ方も分からないという知能レベル。現在は、少し回復し幼稚園児程度の知能か
25 ・数字を数えられない
・本を読んでも理解できない、文章問題が理解できない、覚えられない。
26 ・通学路が分からず、帰ってこられない
・学校内の位置関係やクラスメートの顔が覚えられない
・過去の記憶がかなり失われている
27 ・今まで解けていた小学生レベルの算数がわからなくなった
・人の名前がわからない、言葉が出てこない
28 ・小中学校の記憶がほとんどない,家の住所を忘れる,肉親の顔がわからない
・簡単な計算ができない,学んだことを忘れる,人の話が飲み込めない
・見当識障害様症状として,バナナを皮ごと食べてしまうなど。
29 ・指でお釣りの計算、九九の能力が少し落ちた、思い出せない
30 ・友人の名前が思い出せなくなったり,得意だった英語が記号にしか見えなくなったり,九九が出てこないなど。
・自分の名前が書けなくなったときもある。
31 ・計算能力の低下、以前まで読み書きできていた漢字を読み書きできなくなっている。
・外泊したことを覚えていない。
32 ・集中力、記憶力の低下
・祖母の顔をみて「誰?」と分からなくなる
33 ・直近のことが思い出せない
・簡単な計算を間違える
・考えがまとまらず言葉が出てこない
・行動するときは事前にメモをしてからでないと忘れてしまい、行動できない。
34 ・数学が得意だったのが小学生程度の計算ができず、時計の針が読めない
・人の顔が分からない
35 ・テストのために暗記しようとしても覚えられない
・授業を受けていても、その授業の目的等が分からない
36 ・記憶をところどころ失っている。発作が酷かった時期など1か月くらい記憶が一切ない時期がある。
・文字が模様にしか見えず、黒板も読めず、また好きだった読書もできなくなったり、計算もできなかった時期があった。
・不随意運動の直後など、話をしたいことがあっても、口を動かすことができず(口の動かし方がわからなくなってしまう)話すことができない
37 ・突然、歩き方が分からなくなる、歩く時の足の上げ方が分からなくなる
38 ・人の話していることが頭に入ってこない、覚えられない。
・さっき手にとったお箸のことを忘れてまたお箸をとろうとする
39 ・ 好きだった英語の英単語が覚えられない
・小説を2頁読んでも頭に入らない。
40 ・ 友人の名前が出てこない、友人が話している内容がわからない
・今までできていた計算などができなくなる。テストでほぼゼロ点になったこともある。
・「頭が働いていない」と感じられ、学習問題は時間をかければ解けるというものではなく、全く解ける様子はない。
41 ・頼まれたことをすぐに忘れてしまったり、試験のために覚えた単語などもすぐに忘れてしまう、人の顔が覚えられない、友人の顔が記憶できない、時計がよめない
・読書や簡単な計算ができない
42 ・数分前のテレビの内容を忘れる
・本のストーリーが覚えられないので何度も前に戻って読み返す
・漢字が思い出せない,友人や先生の名前が思い出せない
43 ・物忘れがあり,昨日のことが思い出せない
・小学校で習うような簡単な計算ができなくなったり,コンビニでお金の出し方が分からなくなった
44 ・人の顔が覚えられず、人の顔の区別がつかない
45 ・会話の際に単語が出てこなかったり、友人の顔や名前が思い出せない
・英単語や漢字が覚えられない
・電車の乗り換えをすることができない
46 ・突然記憶が飛ぶ、自分の行動を記憶していない
47 ・短期記憶に自信がない
・集中力が落ちた
・名前が覚えられない
48 ・物をなくす頻度が増えた
・ものの名前が出てこない
49 ・友人と会う約束をしたのに忘れてすっぽかす,友人の名前や顔を思い出せない
・試験の日程や科目を間違えて試験を受けられない
50 ・記憶が飛ぶ
・外出中に記憶がなくなり、気がついたら家や友人宅にいる
51 ・簡単な算数の計算をよく間違えるようになり、英悟の単語が覚えられなくなった
・入学試験の場への持ち物を多く忘れ、試験場への道順や、帰宅する道順が解らなくなった
52 ・忘れ物や失くし物は日常的にある
・ついさっき言ったことを覚えていない、物覚えが悪い、物をどこに置いたか忘れてしまう。
・友達の家に自転車で行った事を忘れて歩いて帰宅する。
53 ・物忘れがひどい
・簡単な計算が遅くなった、お金の計算ができない、針時計が読めない
・人の貌が思い浮かばない
54 ・毎日着ていたカーディガンを、「こんなの知らない」と言う。
・漢字が思い出せない。
55 ・意識消失発作後、自分の名前、生年月日、家族の名前も思い出せない。自分の部屋の物の位置、有名人の名前、友達の名前、スマートフォンの使い方が分からない、思い出そうとするとボーっとしてくる、など。
56 ・通学のための電車を乗り違える
・親しい知人友人の名前が分からなくなる
57 ・ 課題(教科書を見ながら穴埋めをする簡単な課題、A4の1枚のプリント)が30分経ってもできない
58 ・漢字を思い出せない。
・「8÷0.1」などの計算のやり方が思い出せない
59 ・お釣りの計算が出来なくなった。
60 ・父親のことが分からなくなった。自分の名前も覚えていないことがあった
・自分の名前を漢字で書けない
61 ・日付や自分の名前がわからなくなったり、家の近所の道がわからなくなる等の症状があった。
・計算が急に不得意になり簡単な計算もできなくなった。
・長文の読解が不良になり、ひらがなが書けなくなるときもあった。
62 ・授業中に口頭で説明される内容をメモすることができない。
・計算ができない。
63 ・教室や病室の場所がわからなくなった。
・人と話をしても相手の言うことが理解できないため会話が成立しない。
64 ・話したばかりの会話を忘れる。
・記憶力や集中力が低下し、教科書の内容などが頭に入らなくなった
65 ・駅から自宅への帰り道が分からなくなり、GPSを使って帰宅。
・人の名前が出てこない
・さっき見た映画が思い出せない。
66 ・忘れっぽい、さっきやっていたことを忘れ、また同じ事を始める。インコの籠の掃除をやっているが、終わったばかりでまた掃除をはじめた。
・新しいことが頭に入ってこない。
67 ・本を読んでいるとき、内容をすぐに忘れるので、数行前に戻って何度も戻って読み直す。登場人物の名前が覚えられない。
・友人の顔を忘れることがある。
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原告らの記憶障害・学習障害に関するエピソード
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新リーフレット全面修正の要望書を緊急提出しました

提出後記者会見の様子(中央右:酒井七海全国原告団代表、右端:水口真寿美全国弁護団共同代表)
提出後記者会見の様子(中央右:酒井七海全国原告団代表、右端:水口真寿美全国弁護団共同代表)

 2018年1月19日、全国弁護団はHPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書を加藤勝信厚生労働大臣宛に提出しました。これは昨日、厚生労働省がHPVワクチンの積極勧奨を中止した2013年6月14日に作成されたHPVワクチンのリーフレットを著しく不適切な内容に改定したことに対し、その全面修正を求めたものです。

 提出後の記者会見には、酒井七海全国原告団代表(東京原告1番)、東京原告3番母子、東京原告53番母子が出席しました。

 会見では、新リーフレットが多様な副反応症状を伝えておらず、特に、記憶障害・学習障害については、医療従事者用のリーフレットだけに記載して、本人や保護者用には記載していない問題、救済制度での認定例のうち、障害と死亡の認定頻度を比較すると、HPVワクチンは、主な他のワクチンの平均値より約10倍高いことを伝えていない問題などを指摘しました。

HPVワクチンの危険性を指摘する水口真寿美弁護士
HPVワクチンの危険性を指摘する水口真寿美弁護士

 酒井七海さんは、以前よりは改善はされたものの、今でも教室を覚えるのに苦労しているといった自分の症状を紹介したうえで、全国原告団の代表として、厚生労働省が、接種希望者・保護者に接種を「検討してください」というなら、検討できるように副反応の症状をきちんと伝えてほしいと話しました。

副反応症状をきちんと記載してほしいと訴える酒井七海さん
副反応症状をきちんと記載してほしいと訴える酒井七海さん

 東京原告3番の女性は、簡単な引き算ができない、時計が読めないと言った症状で苦しんだこと、友人の顔が覚えられず、コミュニケーションが取れなくなって友達が離れていってしまったこと、毎日寝る前には「このまま友達や家族の顔をわすれて言ってしまうのではないか」と考えながら眠りについていることなどを話しました。また、原告3番の母は、親として本当に辛い、こういうことが起きるということを知ってほしいと話しました。

会見に臨む原告3番(左)と母
会見に臨む原告3番(左)と母

 東京原告53番の女性の母は、何度も会っている先生や友達の顔が覚えられない、自分の家に帰る道が分からない、見知らぬ男性を母と間違えて後をついて行ってしまったというような娘の深刻な症状を紹介したうえで、記憶障害や学習障害は時間が経ってから出てくることも知ってほしいと話しました。

 このような記憶障害・学習障害の症状は、全国の原告の80%以上にあたる102名が経験しており、70名が現在も改善せずに苦しんでいます。原告から集めた声をまとめた下記の「原告らの記憶障害・学習障害に関する主なエピソード」一覧表をご覧いただくと、その症状の深刻さをご理解いただけると思います。

 こうした症状に苦しむ全国各地の原告とその家族からは、新リーフレットに対し、

「私の娘の被害を、きちんと伝えてほしい」

「事実を事実として伝えることこそ、厚労省がすべきことではないですか」

といった悲痛な叫び声が上がっています。

 重篤な副反応症状に苦しむ被害者の気持ちを踏みにじるような新リーフレットは、直ちに全面修正がなされるべきです。

原告らの記憶障害・学習障害に関する主なエピソード

特徴的症状・エピソード
1 ・2016年4月ころから、記憶障害が出始めるが家族の事はまだ分かっていた。しかし4月22日の大きな発作の後はとうとう家族の事もわからなくなった。これまでも記憶障害はあったが、家族のことが判らなくなったのは初めてであった。現在は、記憶障害も学習障害もかなり回復していると感じているが、接種前の状態と比較すれば、そこまでは回復していない。今でも、普通の社会人としてアルバイト等をすることは容易ではないと感じている。
2 ・簡単な漢字が書けない、計算が遅くなる
・友人や祖母、母親もわからなくなる
・学校までの道や自宅もわからなくなる
3 ・家族との何気ない会話の内容を覚えていないことが度々ある。
・忘れ物,物忘れが多くなった
・漢字が思い浮かばなかったり,本の文字を追っていても内容が頭に入ってこなくなったりするようになった
・以前は分かっていた近所の人の顔や名前が一致しないこともある
4 ・友人の顔、自分のクラスの教室の場所がわからなくなる。
・漢字、ひらがな、数字も判別が困難になる。
5 ・学校の先生の言っていたことを覚えていない。友人から、修学旅行のときのことを言われても覚えていない。
・アルファベットを忘れる。
6 ・会話の途中から、内容が理解できなくなる。
・漢字が思い浮かばない。
・直前に読んでいた本の肝心なところを忘れる。母親への伝達事項を忘れる。
7 ・道に迷う,買ったばかりの物を忘れてまた買う,自分の名前が書けない
・前の日勉強したことが覚えられずにテストができない
・人の名前や顔が覚えられない
8 ・計算(特に暗算)ができなくなり、例えば「10個のお菓子から3個取ったら何個残るか。」が分からない。
・漢字もスマホで調べないと思い出せない。
・駅から家までの道順が分からず、母親が迎えに行く必要がある。
・靴の左右が分からない。
9 ・国語の試験の文章を読んでいる途中で、読んだ内容を覚えていられないため、何度も読み直さなければならない。
・文章を書き写すことが難しい。文章や言葉を覚えられず、1文字ずつ書き写している。
・計算をするのが遅くなった。数学の公式を忘れてしまい、覚え直そうとしたが、覚えられなくなってしまった。
10 ・テキスト、教科書が読めない(内容を把握できない)。
・読み慣れていたはずのピアノ譜面が突然読めなくなった。
・電子レンジ等の日常慣れ親しんでいた機器の使用方法が思い出せない。
11 ・先生や友達の顔、自分の名前、母の顔、自分の顔、自分の住所がわからなくなる
・本が読めない(どこを読んでいるのかわからなくなるため。)
・先生の説明が途中でわからなくなる
12 ・物の名前や人の名前が出てきにくくなった
・名字や親の名前が分からない、覚えられない。
・小銭の計算、スマホのひらがな変換がしにくい
13 ・「名前」「誕生日」という問いかけの意味分からなくなった
・1000から順次7を引くという簡単な計算ができない
14 ・意識喪失後、意識が戻った際に今までの全ての記憶を失っていた。単に記憶を失っただけではなく、言葉を全く話せない。トイレの仕方も分からない、ご飯の食べ方も分からないという知能レベル。現在は、少し回復し幼稚園児程度の知能か
15 ・通学路が分からず、帰ってこられない
・学校内の位置関係やクラスメートの顔が覚えられない
・過去の記憶がかなり失われている
16 ・小中学校の記憶がほとんどない,家の住所を忘れる,肉親の顔がわからない
・簡単な計算ができない,学んだことを忘れる,人の話が飲み込めない
・見当識障害様症状として,バナナを皮ごと食べてしまうなど。
17 ・指でお釣りの計算、九九の能力が少し落ちた、思い出せない
18 ・友人の名前が思い出せなくなったり,得意だった英語が記号にしか見えなくなったり,九九が出てこないなど。
・自分の名前が書けなくなったときもある。
19 ・計算能力の低下、以前まで読み書きできていた漢字を読み書きできなくなっている。
・外泊したことを覚えていない。
20 ・集中力、記憶力の低下
・祖母の顔をみて「誰?」と分からなくなる
21 ・直近のことが思い出せない
・簡単な計算を間違える
・考えがまとまらず言葉が出てこない
・行動するときは事前にメモをしてからでないと忘れてしまい、行動できない。
22 ・記憶をところどころ失っている。発作が酷かった時期など1か月くらい記憶が一切ない時期がある。
・文字が模様にしか見えず、黒板も読めず、また好きだった読書もできなくなったり、計算もできなかった時期があった。
・不随意運動の直後など、話をしたいことがあっても、口を動かすことができず(口の動かし方がわからなくなってしまう)話すことができない
23 ・突然、歩き方が分からなくなる、歩く時の足の上げ方が分からなくなる
24 ・ 友人の名前が出てこない、友人が話している内容がわからない
・今までできていた計算などができなくなる。テストでほぼゼロ点になったこともある。
・「頭が働いていない」と感じられ、学習問題は時間をかければ解けるというものではなく、全く解ける様子はない。
25 ・数分前のテレビの内容を忘れる
・本のストーリーが覚えられないので何度も前に戻って読み返す
・漢字が思い出せない,友人や先生の名前が思い出せない
26 ・物忘れがあり,昨日のことが思い出せない
・小学校で習うような簡単な計算ができなくなったり,コンビニでお金の出し方が分からなくなった
27 ・会話の際に単語が出てこなかったり、友人の顔や名前が思い出せない
・英単語や漢字が覚えられない
・電車の乗り換えをすることができない
28 ・友人と会う約束をしたのに忘れてすっぽかす,友人の名前や顔を思い出せない
・試験の日程や科目を間違えて試験を受けられない
29 ・記憶が飛ぶ
・外出中に記憶がなくなり、気がついたら家や友人宅にいる
30 ・忘れ物や失くし物は日常的にある
・ついさっき言ったことを覚えていない、物覚えが悪い、物をどこに置いたか忘れてしまう。
・友達の家に自転車で行った事を忘れて歩いて帰宅する。
31 ・毎日着ていたカーディガンを、「こんなの知らない」と言う。
・漢字が思い出せない。
32 ・意識消失発作後、自分の名前、生年月日、家族の名前も思い出せない。自分の部屋の物の位置、有名人の名前、友達の名前、スマートフォンの使い方が分からない、思い出そうとするとボーっとしてくる、など。
33 ・通学のための電車を乗り違える
・親しい知人友人の名前が分からなくなる
34 ・漢字を思い出せない。
・「8÷0.1」などの計算のやり方が思い出せない
35 ・教室や病室の場所がわからなくなった。
・人と話をしても相手の言うことが理解できないため会話が成立しない。
36 ・駅から自宅への帰り道が分からなくなり、GPSを使って帰宅。
・人の名前が出てこない
・さっき見た映画が思い出せない。
37 ・忘れっぽい、さっきやっていたことを忘れ、また同じ事を始める。インコの籠の掃除をやっているが、終わったばかりでまた掃除をはじめた。
・新しいことが頭に入ってこない。
38 ・本を読んでいるとき、内容をすぐに忘れるので、数行前に戻って何度も戻って読み直す。登場人物の名前が覚えられない。
・友人の顔を忘れることがある。

※項目番号は原告番号ではなく、重篤な認知機能障害に苦しむ原告38名の症状をランダムに並べ直してあります。

HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書

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HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書
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平成30年1月19日

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団
共同代表 水 口 真寿美
同 山 西 美 明
<連絡先>
〒102-0084 東京都千代田区二番町12番地13
セブネスビル3階
電話03(6268)9550
https://www.hpv-yakugai.net/

HPVワクチン新リーフレットの全面修正を求める緊急要望書

 厚生労働省は、本年1月18日、HPVワクチンに関するリーフレットを改定し、「医療従事者の方へ」、「HPVワクチン接種を検討しているお子様と保護者の方へ」、「HPVワクチンを受けるお子様と保護者の方へ」と題する3種類のリーフレットを公表しました(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/)。
 しかし、改定されたリーフレットは、いずれについても、重大な欠陥があり、国民や医療従事者に対する情報提供として極めて不適切です。直ちに修正するよう求めます。
 問題点は多々ありますが、主要な点を列挙すれば以下のとおりです。

1 多様な副反応症状が適切に記載されていない

(1)HPVワクチンの多様な副反応症状が記載されていない

  リーフレットの最も重要な役割は、医療従事者や国民に対し、HPVワクチン接種後に報告されている副反応が疑われる症状について、分かりやすく、具体的に情報提供をすることです。
 HPVワクチンの副反応症状としては以下のような多様な症状が報告されています。しかも、これらが時の経過とともに変化したり、重層化したりする特徴があります。

 

①運動に関する障害

不随意運動、脱力、歩行失調、姿勢保持困難、握力低下、けいれんなど

 

②感覚に関する障害

ハンマーで殴られたような激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、腹痛、全身疼痛、視覚
障害、光過敏・音過敏・嗅覚過敏、四肢のしびれなど

 

③自律神経や内分泌に関する障害

発熱、月経障害、過呼吸、睡眠障害、むずむず脚症候群、立ち眩み、めまい、体
温調節困難、手汗などの発汗過多、手足の冷感、吐き気・嘔吐、下痢、便秘、排
尿障害など

 

④認知機能や感情・精神機能に関する障害

学習障害、記憶障害、見当識障害、相貌認知障害、集中力の低下、気力の低下、著しい倦怠感・疲労感、不安感、悪夢を見る、イライラしたり感情的になるなど

 

 しかし、いずれのリーフレットにおいても、これらの一部しか紹介されておらず、説明が不十分であるうえ、大変見にくく、わかりにくいものとなっています。
 特に、本人・保護者向けのリーフレットにおける症状と説明は、(2)で述べる学習障害・記憶障害についての記載がないことをはじめ、医療従事者向けのリーフレットに記載されたものよりも少なく、分かりにくいものとなっています。医療従事者に伝える必要があると判断して記載した副反応症状を、本人・保護者向けのリーフレットに記載せず差を設けることは、国による予防接種に関する情報提供のあり方として著しく不適切です。

 

(2)学習障害・記憶障害が記載されていない

ア  学習障害・記憶障害は、本人や保護者向けの2種類のリーフレットには全く記載されていません。
 学習障害・記憶障害は、全国124名の原告のうち102名が経験をし、このうち70名が現在も苦しんでいる日常生活に重大な支障をもたらす症状のひとつです。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用被害救済制度でも昨年11月までに「接種との因果関係が否定できない」として医療費や医療手当を給付された246件中、54%の134件で認知機能低下が認定されています(本年1月18日毎日新聞朝刊)。日本医師会と日本医学会が2015年にまとめた「診療の手引き」においても、問診の留意点として掲げられている症状です。
 学習障害・記憶障害について、本人や保護者向けのリーフレットに記載しないことは不当という他はありません。

 

イ  医療従事者向けのリーフレットでは上記障害に関する記載はあるものの、「(3)疼痛又は運動障害の報告について」というタイトルの項に小さく記載されているのみで、記載方法が不適切です。
 そもそも、HPVワクチンの副反応は疼痛と運動障害だけではないのですから、この項目のタイトルから見直すべきです。

 

2 他のワクチンと比較して危険性が高いことが記載されていない

 リーフレットでは、HPVワクチンの副反応疑い報告数や救済制度での認定数について触れられていますが、他のワクチンとの比較が全く書かれていません。
 まず、100万回接種当たりの重篤副反応報告は、HPVワクチンは他の定期接種ワクチンの平均と比較して6.5倍です(別表1)。
 さらに、救済制度での認定例のうち、障害(障害年金・障害児養育年金の支給対象)と死亡という深刻なものに絞り込んで認定頻度を比較すると、HPVワクチンは、主な他のワクチンの平均値より10倍近くも高くなっています。すなわち、HPVワクチンの発売開始から現在までにPMDAの医薬品副作用被害救済制度における障害・死亡の認定頻度は、被接種者100万人あたり10.88人に達していますが、主な他のワクチンの平成17年から25年までの予防接種健康被害救済制度における障害・死亡の認定頻度の平均値は100万人あたり1.23人です(別表2)。
 これらは、他のワクチンと比較してHPVワクチンの副反応が極めて危険であることを示すものであり、これからHPVワクチンの接種を検討する者にとって極めて重要な情報ですが、リーフレットには全く書かれていません。

 

3 接種後1ヶ月以上経過しても副反応が発症しうることの説明がない

 医療従事者向けのリーフレットには、接種から1ヶ月以上経過してから発症した症状は因果関係を疑う根拠に乏しいと記載されています。
しかし、これは従来のワクチンの副反応がおおむね接種から1ヶ月程度の間に発生してきたからHPVワクチンも同様であろうという科学的根拠の乏しい見解であり、HPVワクチン接種後の副反応には当てはまりません。
 HPVワクチンでは、被害者が接種から1ヶ月以上たってから重篤な副反応を発症する場合があり、このことは多くの研究論文においても指摘されています。
 このような不適切な記載がなされることによって、本来HPVワクチンの副反応が疑われる症例について適切な診断や副反応疑い報告がなされなかったり、従来もみられた副反応症状を訴える者を詐病扱いする医師が増えたりする可能性が懸念されます。

 

4 有効性の限界についての記載が不十分である

 HPVワクチンが子宮頸がんを予防する効果は証明されていません。HPVワクチンの有効性についてまず説明されるべき科学的事実はこの点です。
 しかし、本人及び保護者向けのリーフレットにおいては、この科学的な事実よりも「ワクチンを接種してウイルスの感染を防ぐことで子宮頸がんを予防できると考えられている」ということの方が強調され、ウイルスの感染が防げるということと子宮頸がんを予防できるということが別のことであるという基礎的な知識のない本人や保護者に対し、過度の期待を抱かせる内容となっています。
 また、臨床試験で前がん病変を予防する効果が確認されている期間が最長9年であるなどの有効性の限界についても記載されていません。
 有効性の記載を全体として改めるべきです。

 

5 不適切な効果推計が記載されている

 いずれのリーフレットにも、HPVワクチンによる子宮頸がん予防効果に関する推計として、10万人あたり859~595人が子宮頸がんになることを回避でき、10万人あたり209~144人が子宮頸がんによる死亡を回避できると記載されています。
 この推計は、①前がん病変(CIN2)の減少効果は癌そのものの予防効果と同視できる、②ワクチンの接種効果が生涯続く、という2つの非常に問題のある仮定を重ねた上でのものです。感染したHPV(ヒトパピローマウイルス)の9割は2年以内に消失し、CIN1に進んでも、若い女性では、その9割が3年で消失します。残る1割がCIN2 に進展しても、その後10年以内にがんに至る率は1.2%です。そのようなCIN2 の減少効果を子宮頸がんの減少と同視し、臨床試験では最長9年しか効果の持続が証明されていないのに、その効果が生涯続くという仮定で計算をしているのです。
 このような実証性の乏しい「期待」をリーフレットに記載することは有害です。

 

6 不適切な「祖父江班調査」の結果がそのまま引用されている

 医療従事者向けのリーフレットには「HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の『多様な症状』を有する方が一定数存在したこと、が明らかとなっています」と記載されています。
 これは「祖父江班調査」(厚生労働科学研究「青少年における『疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状』の受療状況に関する全国疫学調査」研究代表者:祖父江友孝)に基づくものですが、この調査で非接種者に認められたとされているのは、HPVワクチンの副反応と「同様の」症状などではありません。
 祖父江班調査の問題については、「全国疫学調査」に対する弁護団コメント(詳細)」(https://www.hpv-yakugai.net/2016/12/30/ekigaku-comment/)のとおりです。
 この調査については、研究班代表の祖父江氏自身が、この調査には多数のバイアスがあるとし、接種歴がないのに「多様な症状」を有するとされた患者の症状と、HPV ワクチン接種後に認められた副反応症状との同質性は、この調査では分からない旨を合同部会(2017年4月10日開催)で説明しています。また、この調査は、「結論」として、「本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない」とも述べています。
 そのような調査結果をリーフレットにあえて記載することは不適切であり、HPVワクチンの副反応についての誤解を助長することは明らかです。この記載は削除されるべきです。

 

7 HPVワクチンの副反応を「機能性身体症状」とすることの誤り

 以上のリーフレットの問題は、そもそも厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同部会によるHPVワクチンの副反応に対する検討が不適切かつ不十分であることに起因しています。
 合同部会は、日本においてHPVワクチン接種後の副反応症状を訴える患者を実際に診療した研究者らの多数の研究成果(別紙文献一覧1~10)を検討せず、非科学的な
消去法によって導いた、HPVワクチンの副反応をワクチン接種の痛みと痛みに対する
恐怖心が引き起こす機能性身体症状(「心身の反応」)とする見解を採用しており、こ
こに問題の本質があります。合同部会の検討の問題点については、既に提出した意見書
のとおりです(https://www.hpv-yakugai.net/2017/12/21/statement/)。

 以上のとおりですので、HPVワクチンに関する新リーフレットはすみやかに全面修正
されるべきです。

以 上

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HPVワクチンのリーフレット改訂案の重大な問題点

 2017年12月22日に開催された厚生労働省の副反応検討部会・安全対策調査会(以下、合同部会)において、HPVワクチンのリーフレットの修正案が提示されました。
 この改訂では、これまでの「子宮頸がん予防ワクチン」という呼称が「HPVワクチン」と改められています。このワクチンの子宮頸がん予防効果は証明されていませんので、呼び方を変えることは遅すぎたというべきですが、適切です。
 しかし、今回の改訂には、問題点が多数あります。

 全国原告団・弁護団では、合同部会を傍聴した後、厚生労働省内で記者会見を行い、この修正案には次のような重大な問題点が含まれていることを指摘しました。

 

 

【リーフレット改訂案の主な問題点】

  1. 記憶障害・学習障害等の症状が削除されており、多様な副反応症状の説明が不適切である。
  2. 接種から1ヶ月以上経過してから発症した症状は因果関係を疑う根拠に乏しいという誤った情報が追記された。
  3. 不適切な祖父江班調査の結果がそのまま引用されている。
  4. 有効性について不適切な推計による過大な「期待」が記載されている。

 この改訂案は、国民にこのワクチンの危険性を正しく伝えておらず、現に重篤な副反応被害に苦しむ患者を切り捨てる内容となっているばかりではなく、国民に新たな誤認を生じさせるものであることは明らかです。

 このような改訂が行われることは許されません。

 以下、詳しく説明します。

 

■問題点1 記憶障害・学習障害等の症状が削除されており、多様な副反応症状の説明が不適切。

 現行版では、少なくとも医療従事者向けのリーフレットには、HPVワクチン接種後に認められる「広範な疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状」の説明として、「失神、頭痛、腹痛、発汗、睡眠障害、月経不整、学習意欲の低下、計算障害、記憶障害等」が挙げられていました。
 しかし、改訂案ではこれが削除され、被接種者・保護者向けリーフレット、そして医療従事者向けリーフレットのどこにも、記憶障害や学習障害といった症状は記載されていません。
 これらの症状には多くの被害者が苦しんでおり、研究論文においても、HPVワクチンの副反応として指摘されています。
 これらの症状を削ったのは、合同部会による「接種の痛みと痛みに対する恐怖心が惹起する心身の反応」(機能性身体症状)という理解では、記憶障害や学習障害等を説明できないためと思われますが、現に生じているこうした症状を説明しないままでは、国民への正しい情報提供とは到底言えません。かかる改訂は全く不適切です。

 

■問題点2 「副反応は1ヶ月以内に生じる」という誤解の流布。

 接種から1ヶ月以上経過してから発症した症状は因果関係を疑う根拠に乏しいとするのは、科学的根拠の乏しい見解です。従来のワクチンの副反応がおおむね接種から1ヶ月程度の間に発生してきたというだけのことであって、HPVワクチン接種後の副反応には当てはまりません。実際には、多くの被害者が接種から1ヶ月以上たってから重篤な副反応を発症しており、多くの研究論文もこうした特徴が指摘されています。
 「1ヶ月以上経過後の症状は因果関係を疑う根拠に乏しい」という誤った情報が流布されてしまうと、現に被害に苦しんでいる原告らを詐病扱いする医師や医療機関が増大するおそれがあるばかりでなく、HPVワクチンによる重篤な副反応の被害者として補償制度の対象とされるべき患者が、被害を認識できないまま社会で放置される結果を招くことにもつながりますので、極めて不当です。

 

■問題点3 不適切な祖父江班調査の結果がそのまま引用されている。

 今回の改訂案には「HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の『多様な症状』を有する方が一定数存在したこと、が明らかとなっています」という記述が追加されています。
 これは「祖父江班調査」に基づくものですが、この調査で非接種者に認められたとされているのは、HPVワクチンの副反応と「同様の」症状などではありません。

 研究班代表の祖父江氏自身が、この調査には多数のバイアスがあるとし、接種歴がないのに「多様な症状」を有するとされた患者の症状と、HPVワクチン接種後に認められた副反応症状との同質性は、この調査では分からない旨を合同部会で説明しています。
 そのような調査結果をリーフレットにあえて記載することは不適切であり、HPVワクチンの副作用についての誤解を助長することは明らかです。

 ゆえに、この記述は削除されるべきです。

 

■問題点4 有効性について不適切な推計による過大な「期待」が記載されている。

 今回の改訂案には、HPVワクチンによる子宮頸がん予防効果に関する推計として、10万人あたり859~595人が子宮頸がんになることを回避でき、10万人あたり209~144人が子宮頸がんによる死亡を回避できると記載されています。
 この推計は、(1)前がん病変(CIN2)の減少効果は癌そのものの予防効果と同視できる、(2)ワクチンの接種効果が生涯続く、という2つの非常に問題のある仮定を重ねた上でのものです。
 感染したHPV(ヒトパピローマウイルス)の9割は2年以内に消失し、CIN1に進んでも、若い女性では、その9割が3年で消失します。残る1割がCIN2に進展しても、その後10年以内にがんに至る確率は1.2%です。そのようなCIN2の減少効果を子宮頸がんの減少と同視し、臨床試験では最長9年しか効果の持続が証明されていないのに、その効果が生涯続くという仮定で計算をしているのです。
 このような実証性の乏しい「期待」をリーフレットに記載することは有害です。

 

改訂案に対する原告らの声

 こうした改訂案に対し、合同部会を傍聴した原告らは
 「自分の存在自体が無視されている」
 「私たちの症状がここに説明されているとは思えない」
 「国が被害者に寄り添っているとはとても感じられない」
 「私たちが元の体に戻るように考えてくれているとは思えない」
といった感想を持ったことを、会見で率直に語りました。

 全国原告団・弁護団は、こうした誤ったリーフレットの改訂が行われないよう、関係者に対して引き続き働きかけを行う予定です。

 こうした問題点に関する正確な情報が広く発信されることによって、この問題に対する社会の理解が深まることを期待したいと思います。

日本産科婦人科学会に要望書を提出しました

2017年12月22日、HPVワクチン薬害訴訟全国原告団・弁護団は、日本産科婦人科学会に対して、接種勧奨の再開を求める本年12月9日の声明の撤回と被害者のヒアリングの実施を求める要望書を提出しました。

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日本産科婦人科学会宛要望書
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要望書提出に関する全国原告団・弁護団による記者会見(2017/12/22)
要望書提出に関する全国原告団・弁護団による記者会見(2017/12/22)

2017年12月22日

日本産科婦人科学会
理事長 藤 井 知 行 殿

要 望 書

HPVワクチン薬害訴訟全国原告団
代表 酒井七海
HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団
共同代表 水口真寿美
同  山西美明

要望の趣旨

  1. 貴会は、平成29年12月9日付けの「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の早期の勧奨再開を強く求める声明」を撤回し、ウェブサイトから削除して下さい。
  2. 貴会において、HPVワクチン副反応被害者のヒアリングを行って下さい。

要望の理由

1 はじめに

 貴会は、平成29年12月9日付けの「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の早期の勧奨再開を強く求める声明」(以下、「声明」といいます)において、国に対して一刻も早くHPVワクチン接種の積極的勧奨を再開することを強く求めるとしています。
 しかし、以下に述べるとおり、声明におけるHPVワクチンの安全性に関する評価・検討はきわめて不十分であり、国民に対する情報提供としても不適切であると考えます。

2 声明の撤回について

(1) 声明による被害の事実の切り捨て

 声明において、HPVワクチンの安全性に関連するものとしては、「平成25年4月に予防接種法に基づき定期接種化されたにもかかわらず、接種後に様々な症状が報告されたことにより、わずか2ヶ月後に接種の積極的勧奨が中止され、その後も一部の研究者の科学的根拠のないデータや報道等により、国民の正しい理解を得られないまま、すでに4年半もの長期にわたり勧奨が再開されないままとなっております」との記載があるのみです。
 HPVワクチンの副反応に苦しむ被害者たちは、何年にもわたって、自らに起きている多様な症状の原因も分からないまま、多数の医療機関を受診してきました。詐病扱いされた者も少なくありません。そして、HPVワクチンの副反応と診断された後の現在も、治療法が確立していない中、信頼して診療を受けられる医療機関は多くはありません。
 貴会が「一部の研究者の科学的根拠のないデータ」と記載されているのは、このような厳しい環境の中、被害者たちと真摯に向き合い、治療と研究に取り組む研究者が公表しているデータや研究成果のことでしょうか。
 これらのデータや研究成果は、被害者が身をもって提示した症状や検査結果に基づくものであり、それを科学的根拠がないと切り捨てることは、被害発生の事実、さらに言えば被害者の存在そのものを否定するに等しいことです。
 貴会の声明に、被害者たちは大きな衝撃と悲しみを感じています。

(2) 国内外の研究等が示す被害発生の事実

 HPVワクチン接種後にみられる症状については、その治療と研究に尽力している国内の複数の研究者によって研究が公表され、症状が感覚系障害(頭痛、関節痛、筋肉痛、視覚障害、しびれ等)、運動系障害(不随意運動、脱力、筋力低下、歩行運動失調、けいれん等)、認知・情動系障害(学習障害、記憶障害、見当識障害、睡眠障害等)、自律神経・内分泌系障害(発熱、月経異常、過呼吸等)等多岐にわたり、これらの症状が複数重なって発現する症例もみられ(重層性)、各症状の増悪と改善を繰り返す症例も少なくないという共通の特徴が示されています。また、同様の症状は、国に対する副反応報告でも多数報告され、さらに海外でも複数の研究が公表されています。
 HPVワクチンの接種後に、このような症例が多数報告されていることは客観的な事実です。事実に対する評価において意見が分かれることは当然あり得ることですが、科学的検討の対象となるべき、安全性に対する懸念を示す事実そのものを、特段の理由もなく「科学的根拠がない」として無視するのは、およそ科学的とはいえないでしょう。

(3) 積極的勧奨再開による被害再発の危険性

 上記の研究や副反応報告は、HPVワクチンの安全性に対する重大な疑問を示しています。これに対して、安全性に対する疑問を否定しうるような研究は存在しません。このような状態で積極的勧奨を再開すれば、同様の副反応症例が発生する危険性はきわめて高いといえます。被害者は、自分たちと同じ被害を二度と起こさないで欲しいと強く願っています。積極的勧奨の再開など到底認めることはできません。

(以上の詳細や文献等については添付の厚生労働大臣ほか宛て「『HPVワクチン接種後に生じた症状に関する新たなエビデンスの有無についての検討』の見直しを求める意見書」をご参照下さい)

(4) 不適切な情報提供

 以上のとおり、HPVワクチン接種後に重篤な副反応が報告されていることは客観的事実であり、これに対して危険性を否定しうる研究は存在しません。にもかかわらず、現在得られている副反応に関する事実を記載せず、一方で有効性を強調するのは、貴会が標榜する「国民と行政に対して正確な科学的情報を発信する責務」に反する、不適切な情報提供であり、国民の健康に対する危険をもたらすものです。
 よって、私たちは、貴会に対し、声明の撤回とウェブサイトからの削除を求めます。

3 被害者ヒアリングについて

 そもそも、貴会は、HPVワクチン副反応被害の実態を把握されているのでしょうか。その症状の特徴から、被害者のほとんどは、産婦人科以外の医師を主治医としています。前記の国内研究者の研究にも、産婦人科医によるものはありません。そして、被害を「科学的根拠のないデータ」として切り捨てている声明の姿勢からも、貴会はHPVワクチンの副反応の病態や被害実態についてあまりにも無理解であると考えざるを得ません。
 HPVワクチンの是非についての検討には、被害の事実を正しく把握されることが不可欠であると考えます。意見を述べるのであれば、まず、被害者の声を聞き、被害の実情を知って下さい。
 よって、私たちは、貴会に対し、HPVワクチン副反応被害者のヒアリングを行うよう求めます。

以 上

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