東京訴訟期日のオンライン報告集会を開催しました

 2022年5月13日18時から、東京訴訟期日の報告集会がオンラインで開催されました。

 

 当日に提出された準備書面の中から、東京弁護団の小池純一弁護士が、HPVワクチンの積極的な勧奨の再開に関する問題点に関する部分を解説しました。

 

 国はHPVワクチンについて2013年に積極的勧奨を中止する通知を出していましたが、2021年に至って方針を変更しました。

 過去には、日本脳炎ワクチンについて積極的な勧奨が中止された後、新たなワクチンが承認されたことを受けて積極的勧奨が再開されたことありました。その際に、国は「積極的な勧奨を行うこととされたい」という明確な趣旨の通知を発していました。

 



 しかし今回、国は、HPVワクチンの接種を再度押し進めようとするにあたって、「接種を個別に勧奨することが考えられる」というあいまいな内容で、地方自治体に「技術的な助言」を行ったに過ぎません。

 しかも、国は自治体に対して「相談支援体制・医療体制等が十分整備される前にヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種が性急に行われることがないように,市町村と必要な情報共有等を行うこと」と言う内容の前提条件まで付けているのです。

 



 日本脳炎ワクチンの扱いと比較すれば、HPVワクチンに対する国の対応は極めて異例のものであることは明らかで、HPVワクチンについて高い有効性や安全性が確認されておらず、かつての緊急促進事業や定期接種化の違法をむしろ裏付けるものとなっています。

 小池弁護士からは、各自治体が前のめりでHPVワクチンの積極的勧奨を進めようとしているが、前提条件が実際に確保されているかどうか、監視する必要があることを指摘しました。

 



 全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士からは、国会における薬機法改正の審議において、宮本徹議員、阿部知子議員、川田龍平議員、倉林明子議員らよりHPVワクチンの副反応に関する質問がなされたことを報告しました。

 各議員の質問では、①免疫介在性の病態であることを前提として治療法の研究開発や治療体制を整備する必要があること、②救済制度では後遺症認定を受けた被害者が副反応検討部会では軽症扱いされているという問題があること、③救済制度における後遺症認定頻度が他ワクチンより高いことから危険性が示されていることを安全対策に生かす必要があること等が指摘されています。

 こうした質問によって、国会においてもHPVワクチンに関する政策課題についての理解を深めることができたことは、大きな成果であったと考えています。


 こうした弁護団からの報告続いて、東京原告5番さんが、集まった大勢の支援者のみなさんに、近況やこの裁判に対する思いを説明しました。

 HPVワクチンを接種する前は健康で、バレーボールなどのスポーツに取り組んでいた東京5番さんは、中学2年生の時にHPVワクチンの3回目の接種を受けた後から、急激な全身の痛みや脱力感、倦怠感といった症状に見舞われるようになりました。

 ガンマグロブリンによる治療で一時的に症状は改善はしたものの、頭痛や全身の痛み、感覚過敏といった症状が再び現れ、苦しい高校生活を過ごしました。現在までに副反応症状が出始めてからすでに約10年が経過していますが。現在でも脱力や疲れやすいといった症状があり、就労も在宅ワークという形をとっています。

 東京5番さんは、国に対して、とにかく治療法を見つけてほしいと願っていることを、支援者のみなさんに伝えました。また経済的な支援も必要となっており、現在の支援制度では障がい者手帳の給付やPMDAの申請の手続きがとても複雑で、被害者にとってそのこと自体も大きな負担になっているという実情を、ご自身の経験を交えて説明しました。

 東京5番さんからは、多くの方からのサポートによってこの裁判を続けることができていることへの感謝の気持ちを伝えて、引き続きの支援を要請しました。

 東京訴訟の報告集会では、毎回「私が支援をする理由」と題して、支援者の方に、この裁判を支えようとする思いを語っていただいています。

 今回は、薬害肝炎東京訴訟の原告であった浅倉美津子さん(薬害肝炎全国原告団代表)から、ご自身が裁判を闘った経験も交えて、お話をいただきました。

 提訴当時の浅倉さんは、匿名原告として名前を伏せて裁判に参加していましたが、匿名での活動に歯がゆさを感じ、一審判決の言い渡しを前に、名前を出して活動することを決意し、その後の和解成立に至る様々な場面で、ご自身のお気持ちを多くの人に伝えてきました。和解後も現在に至るまで、薬害再発防止やC型肝炎の恒久的な治療体制の確立を目指して、同様の被害者の方と手を携えて活動を続けています。

 浅倉さんは、ご自身の裁判で発言したときのことも思い返しながら、HPVワクチン薬害訴訟で若い原告さんたちが法廷意見陳述を堂々と行う姿を見て、心が打たれる思いがしたということをご紹介下さいました。そしてHPVワクチン薬害の問題が解決するまで命を懸けて応援をしていく、体に気を付けて頑張りましょう、との心強い応援のメッセージをいただきました。

 
 HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表の隈本邦彦さんから、リーフレット「HPVワクチンの ほんとうのこと」は初回印刷分はほとんど配布済みで増刷予定であることの報告がありました。
 また、ドキュメンタリー映画監督である澤則夫さんから、「私たちの声を聞いてください子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)被害者は訴える」のDVDが完成し、上映会を実施していることの報告がありました。

 今回の集会には、72人の方々から参加いただきました。お忙しい中、この訴訟の原告さんを励ましていただいたことに、心から感謝いたします。

 今後の各地の裁判の予定は次のとおりです。

  2022年 6月2日 大阪訴訟期日 及び 報告集会(オンライン)
  2022年 6月6日 名古屋訴訟期日 及び 報告集会(オンライン)
  2022年 7月11日 九州訴訟期日 及び 報告集会(開催方法未定)
  2022年 9月13日 東京訴訟期日 及び 報告集会(開催方法未定)

 各地の報告集会でもまたお目に掛かることができることを楽しみにしています。

 どうか引き続きご支援下さい。