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HPVワクチン薬害東京訴訟第16回口頭弁論期日が、公開法廷で開催されました。今回は、全国4地裁で最初の原告側専門家証人である、池田修一先生の証人尋問が行われました。池田先生は、現在までにHPVワクチンの副反応を訴える約200名の患者を診察し、その研究成果の論文を国内外の著名医学雑誌に複数発表して、高い評価を得ている、神経難病の専門家です。
開廷に先立ち、支援者が中心となって、有楽町マリオン前で街頭行動を行いました。HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表の隈本邦彦さん、原告15番さん、名古屋原告のお母様、福岡原告のお母様、つくば市議会議員の小森谷さやかさんがマイクを握り、直接通行人の方に思いを伝えました。
続いて、裁判所前にてリレートークを行いました。東京原告団副代表の望月瑠菜さんが裁判に向けた思いを語り、HPVワクチン東京訴訟支援ネットワークの江川守利さん、サリドマイド薬害被害者の増山ゆかりさん、日野市議会議員の池田としえさんから、支援の言葉をいただきました。
口頭弁論期日では、まず、原告側が、東京訴訟での2人目の専門家証人として、統計数理研究所名誉教授の椿広計先生を証人申請し、採用されました。椿先生は、統計数理研究所所長の現職にある応用統計学の第一人者であり、薬事分野では、日本における薬効判定・臨床試験評価システムの基盤作りに重要な役割を果たされてきました。HPVワクチン副反応に関しては、いわゆる名古屋調査(名古屋市子宮頸がん予防接種調査)のデータを解析し、調査された症状の一部とHPVワクチン接種との関連を示唆する結果が得られたとする論文(共著)を2019年に発表されています。
続いて、池田修一先生の証人尋問がなされました。今回は、約2時間にわたって、原告側代理人からの質問(主尋問)が行われました。
池田先生は、神経難病の専門家として、複数の神経難病の病態解明と診断基準の作成に携わってこられたこと、その実績を買われて厚生労働省からHPVワクチン副反応患者の治療と病態解明を依頼され、治療・研究を開始されたこと、HPVワクチンの副反応の病態は、CRPS(複合性局所疼痛症候群)、起立性調節障害及び高次脳機能障害の病態をあわせもち、既存の疾患では説明し尽くせない特異性のある症候群と考えられること、そしてその原因がHPVワクチンにあると考える根拠等について、丁寧にかつ分かりやすく証言してくださいました。
最後に、HPVワクチン接種後症状に苦しむ患者さんが置かれた状況について触れ、 患者さんを救うための研究の必要性等を指摘されました。傍聴席からは被害者らのすすり泣きが響き、感動の中で期日は終了しました。
その後、場所をTKP新橋カンファレンスセンターに移し、報告集会が行われました。
報告集会では、まず、主尋問を担当した東京弁護団の松本恵美子弁護士、水口瑛葉弁護士、安孫子理良弁護士、全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士から、尋問についての解説や、池田先生の最後の証言の紹介がなされました。
次に、東京原告の平原沙奈さんのお母様、東京原告35番さんのお父様、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道代表世話人の三浦五郎さん、池田としえさん、隈本邦彦さん、杉並区議会議員の曽根文子さんから、今回の期日や裁判に対するメッセージをいただきました。
また、並行して東京地方裁判所で記者会見を行いました。記者会見では、まず松本恵美子弁護士、水口真寿美弁護士、水口瑛葉弁護士から尋問についての解説がされました。続いて、東京原告15番さん、東京原告56番さんから、池田先生への感謝の言葉や、裁判に勝つという強い気持ちが語られました。
街頭行動から報告集会・記者会見に至るまで、多くの方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
次回の東京地裁での裁判では、2023年8月18日(金)10時00分から、今回に引き続いて池田修一先生の証人尋問(反対尋問)が行われます。
さらに、その3日後の8月21日(月)には、椿広計先生の証人尋問(主尋問)が行われます(13時30分開廷)。
引き続きご支援よろしくお願いいたします。
・各地の次回期日
名古屋訴訟2023年5月29日(月)
大阪訴訟2023年6月5日(月)
九州訴訟2023年7月3日(月)
2023年5月18日(木)午後1時30分より、東京地方裁判所103号法廷において、HPVワクチン薬害東京訴訟の専門家証人尋問期日が開かれます。
今回、原告側の証人としてお立ち頂く池田修一先生は、厚労省からの依頼を受けて2013年にHPVワクチン副反応患者の診療と病態研究を開始して以後、現在まで約200名の患者を診察し、国内外の著名医学雑誌に複数の研究論文を発表して高い評価を得ています。
HPVワクチン薬害訴訟は、原告個別の問題を除く総論的な争点については、書面での主張立証を終え、いよいよ専門家証人尋問という山場を迎えます。
より一層ご注目頂き、法廷に足を運んでください。
当日のスケジュールは上記案内をご確認ください。
宜しくお願い致します。
HPVワクチン薬害東京訴訟第15回口頭弁論期日が、前回2022年12月の期日に引き続き、公開法廷で開催されました。
開廷に先立ち、支援者が中心となって、有楽町マリオン前で街頭行動を行いました。冷たい風が吹かれる中でしたが、多くの通行人の方に訴えることができました。
続いて、裁判所前にてリレートークを行いました。
HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表の隈本邦彦さん、東京原告の平原沙奈さんのお母様、HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さん、全国弁護団共同代表の山西美明弁護士から、それぞれ裁判に向けた思いを発言いただきました。
今回の口頭弁論では、原告側から池田修一医師(元信州大学副学長)を証人申請しました。
難治性疼痛に関する厚労省研究班の研究代表者であった池田先生は、HPVワクチンの副反応が問題化して積極的勧奨が中止された2013年6月頃より、厚労省から副反応患者の診察と原因検索について依頼を受けて副反応患者の診療と病態研究を開始し、以後現在までに副反応が疑われる患者約200名を診察し、HPVワクチン接種後の女性に出現している多様な神経症状は同ワクチンの副反応であるとの立場から、国内外の著名医学雑誌に複数の研究論文を発表して高い評価を得てきた研究者・臨床医です。
全国4地裁で進められてきたHPVワクチン薬害訴訟において、専門家証人の尋問を申請したのは、今回が初めてのこととなります。
14時に開廷した大法廷では、東京訴訟原告3番さんが、意見陳述を行いました。
原告3番さんは、現在26歳の女性です。
HPVワクチンを接種する前は、部活動でヴィオラやコントラバスを弾く、全国模試で国語の成績で全国1位をとる、カナダへ短期留学をするなど、充実した中学校生活を送っていました。
しかし、15歳の春休みにHPVワクチンを3回接種した後、頭痛や倦怠感、学校の隣の席の生徒が覚えられない、本が読めない、といった症状に苦しめられました。学校に通うのが難しく、通院も増えていきました。そのように病院へ行く途中、同年代の制服の生徒を見ると、
「なんで私は同じようにできないのだろう、あの子たちに私たちはどういう風に見えているのだろう」
と、悩む日々でした。
原告3番さんがHPVワクチンを接種してから12年が経ちました。
「もっと友人たちと同じ時間を過ごしたかった、もっと授業に出たかった、もっと部活に打ち込みたかった。しかし、たった一度きりの人生において、失った年月は2度と取り戻せることはありません。」
原告3番さんはこのように悲しみを語りました。
そして最後に、
「この先の長い人生を一人の人間として、尊厳を持って生きていくためにも、国はしっかりとした経済的な補償と、何よりも治療のための医療体制を整えてほしいです。」
と、被告らに対して訴えました。
その後、場所を日比谷図書文化館に移し、報告集会が行われました。
報告集会では、東京弁護団の中西弁護士から期日の概要についての報告がなされた後、意見陳述を行った原告3番さんが発言し、緊張して不安な中で意見を述べたが、傍聴席を含めて関係者が真剣に聞いてくれ、また特に裁判官が自分の目を見ながら話に聞き入ってくれていた、5月から始まる証人尋問に向けてみんなで頑張っていきたいと気持ちを新たにしたと、法廷での感想を語りました。
原告3番さんのお母さんからは、娘の人生の悔しさや苦しさを言い表すには10分の陳述は余りに短いが、その中でも真剣に訴えた娘の言葉が裁判官に届かないはずはないと思っている、帰宅したら頑張った娘を褒めてあげたい、との感想が述べられました。
意見陳述を見守った他の原告さんからは、すべての病気が分かっているかのようにいう被告らの姿勢に対して「傲慢ではないでしょうか」と訴えかけた原告3番さんの言葉がストンと胸に落ちた、被害者の気持ちを代弁してくれた、原告たちが最も言いたいことを言ってくれたといった賛同の声が多く寄せられました。
各地の支援者からは、薬害エイズが和解によって治療体制が整ったことを挙げて、HPVワクチン薬害も訴訟を通して治療体制を確立できるように頑張りましょう、とのエールがありました。
報告集会の最後には、原告から、5月以降はいよいよ専門家の証人尋問が始まり、訴訟が終盤に向けて加速していくため、一緒に頑張ろうとの声掛けがなされ、集会は終了しました。
ご参加の皆様、本当にありがとうございました。
次回の東京地裁での裁判では、2023年5月18日(木)13時30分から元信州大学医学部長池田修一先生の証人尋問が行われる予定です。引き続きご支援よろしくお願い致します。
・各地の次回期日
名古屋訴訟2023年2月20日(月)
大阪訴訟2023年3月 9日(木)
九州訴訟2023年4月17日(月)
東京訴訟2023年5月18日(木)
HPVワクチン薬害東京訴訟第23回期日が、法廷で開催されました。新型コロナウイルスの影響で、裁判の期日はオンラインで進められていました。今回、2020年2月の期日以来となる、待望の法廷での期日が開催されました。
開廷に先立ち、支援者が中心となって、有楽町マリオン前で街頭行動を行いました。小雨が降る中でしたが、支援者が数多くのチラシを作成し、支援の呼びかけを行いました。東京原告15番さん、九州原告の梅本美有さんからも発言をいただき、多くの通行人の方に声を届けることができました。
続いて、裁判所前にて、従前のようにリレートークを行いました。 全国弁護団共同代表の山西美明弁護士、梅本美有さんのお母様である梅本邦子さん、名古屋訴訟原告のお母様である谷口鈴加さん、 HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さん、HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表の隈本邦彦さん、全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士、そして期日で意見陳述を行う東京原告56番さんから、裁判に向けた思いを発言いただきました。
口頭弁論期日では、東京原告56番さんの意見陳述が行われました。
56番さんは、もともとスポーツやピアノ、読書が好きな元気な子供でした。しかし、12歳の時にサーバリックスを接種した後、様々な副反応症状が現れるようになりました。高校生になっても症状は悪化を続け、大学受験もあきらめざるを得なくなりました。現在でも趣味を楽しむことも、仕事も満足にできない状態が続き、社会からの疎外感を感じています。
「私の心は女子高生で止まっていますが、時は止まってくれません。」
「もう何度心を折られたかわかりません、健常者のように見えるかもしれないけど内側はボロボロです。」
56番さんは、現在の苦しみを、このように語りました。しかし、周囲の支えを励みに、将来の希望は捨てておらず、高校の時から行きたいと思っている大学へ、何歳になっても行きたいという強い志も持っています。このように、56番さんは自分の声を、直接裁判官に伝えることができました。
訴訟に引き続き、東京訴訟期日の報告集会が、日比谷図書文化館のリアル会場及びZoomによるオンライン会場のハイブリッドで開催され、60名を超える参加者がありました。まず、本日の法廷で意見陳述をした原告56番さんから報告があり、
「苦しかったことや辛かったことなどこれまでの想いを全て出しきって今は心が空っぽの状態。」
「裁判官も熱心に耳を傾けてくれた。」
「ここまで来ることができたのは、ともに戦っている原告や弁護団、支援者の皆さんのおかげだと思う。」
などとお話をされました。
これに応えるような形で、参加していた原告からも、
「今日の意見陳述を聞いて、被害者はみんな、普通の人たちとは違う人生を強いられてきたんだと改めて実感した。」
「普通の生活がしたいのに出来ないことの苦しさやもどかしさは強く共感した。」
「私も、できなかったことや、やりたかったことがたくさんあった。泣きながら『そうだね。一緒だね。』と思って聞いていた」
などの想いが述べられました。
また、支援者からも、
「法廷にいた皆が今日の意見陳述に聞き入っていた。裁判官にも聞かせる力があったと思う。」
「原告の皆さんは本当に辛い想いをしたと思う。その想いが、同じような被害者を出さないように社会に働きかける力になっていると感じた。」
などとの感想が寄せられました。
約1時間程度の報告集会でしたが、社会に被害を訴えかけていくことの重要性を改めて感じさせるものでした。
次回の東京訴訟の弁論期日は、2023年2月9日(木)14:00に予定されています。
次回の期日も、多くのご参加及びご支援をいただけますようお願いいたします。
・各地の次回期日
大阪訴訟2022年12月 13日(火)
名古屋訴訟2022年12月22日(木)
九州訴訟2023年1月23日(月)
東京訴訟2023年2月9日(木)
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