東京訴訟

東京訴訟の次回期日は、2019年11月25日(月)です。


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新着記事

10月13日はHPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク第3回総会です

 平成28年7月に全国一斉提訴が行われたHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)薬害訴訟。

被害を受けた少女たちは、今なお続く激しい副反応と闘いながら、それでも前を向いて歩こうと必死に努力しています。
 『HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク』が設立されてから2年。被害者を支えるためにいま何ができるのか。改めて皆さんと一緒に考えたいと思います。

 ご家族、お仲間をお誘い合わせの上、ぜひともご参集ください。

 ご案内のPDFはこちらからダウンロードできます。

 

日 時

10月13日(日)14時~16時15分

(終了後懇親会を予定)

 

会 場

五反田貸し会議室

(JR五反田駅徒歩2分)
東京都品川区西五反田2丁目5番2号
五反田東幸ビル 6F tel: 050-5243-5428


参加費 無料


【特別講演】

「HPVワクチン接種後の症状と日本の医療」
横田俊平医師(横浜市立大学名誉教授)

 


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HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク第3回総会のご案内
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私は事実を伝えています~HPVワクチン薬害東京訴訟第11回口頭弁論期日

中央:期日前のリレートークで思いを伝える金澤佑華さん(東京訴訟原告)
中央:期日前のリレートークで思いを伝える金澤佑華さん(東京訴訟原告)

 2019年9月11日、HPVワクチン薬害東京訴訟の第11回期日が開かれました。

 今回も開廷に先立ち、支援者と弁護団とで有楽町マリオン前で街頭行動を行い、期日傍聴を呼びかけました。

右:浅川身奈栄さん
右:浅川身奈栄さん

 HPVワクチン薬害訴訟を支える会・北海道の浅川身奈栄さんからは、将来の子宮頸がんを防げると思ってワクチンを打った多くの中高生の女性が、高校を中退したり、進学を諦めてしまっているという現実があることを訴えました。

藤竿伊知郎さん(薬剤師)
藤竿伊知郎さん(薬剤師)

 HPVワクチン訴訟東京支援ネットワークの藤竿伊知郎さん(薬剤師)は、この裁判は、被害の状況を伝えること、そして被告企業と国の責任を明らかにすること、さらにはいま現在苦しんでいる多くの被害者のために医療体制を整えてもらうことに目的があることを説明しました。

 午後1時からは裁判所前でリレートークを行いました。

 東京弁護団の阿部哲二弁護士からは、7月19日の追加提訴で全国の原告数が132名となり、東京訴訟の原告数は61名に達したことを報告し、多くの被害者が勇気を振り絞って国とGSK・MSDの責任を追及する裁判に参加していることを説明しました。

追加提訴を報告する阿部哲二弁護士
追加提訴を報告する阿部哲二弁護士

 東京訴訟原告の金澤佑華さんは、痙攣と失神を繰り返してしまうことが原因で高校を退学せざるを得なくなり、小さい頃からの看護師になりたいという夢を諦めなくてはならなくなったという被害体験を語りました。金澤さんは、こうした被害が実際におきていることを知ってほしいという思いで裁判に参加したことを、傍聴に集まった支援者のみなさんに伝えました。

 裁判所に同行した金澤さんの母は、接種したころに戻れるなら絶対に打たせることはなかったのに、当時HPVワクチンを何の疑いもせず娘に打たせてしまったことを後悔しているという、被害者の親としての切実な心情を語りました。

 支援者として傍聴に参加した学生さんからは、HPVワクチン再開に向けた動きがあるのは、まだまだ支援活動が足りていないからだと感じており、引き続き被害者のみなさんを支えて頑張っていきたいという、頼もしい決意表明の言葉をいただきました。

 

 午後2時に開廷した口頭弁論では、東京原告4番さんが意見陳述を行いました。


 4番さんは、小学生のころから薬剤師になるのが夢で、中学受験では志望校である私立の中高一貫校合格し、中学では吹奏楽部でサックスを担当するなど、学校に行くのが楽しみな毎日を過ごしていました。

 しかし中学生のときにサーバリックスを接種したことで、彼女の日常は奪われてしまいました。接種を受けた後には膝の関節の痛みを感じるようになり、その後も様々な症状が出現し、不随意運動や感覚過敏、睡眠障害といった深刻な症状のために、高校1年で学校を中退せざるを得なくなってしまいました。中退後も4番さんは薬剤師となる夢を諦めることなく、高卒認定試験に合格して通信制の短期大学に入学しましたが、今でも様々な症状に苦しめられています。


「副反応の危険性を知っていれば、このワクチンは打たなかったし、今頃は薬学部に進学して頑張って勉強していたと思います。本当に悔しいです。」


「だから私は、同じような被害にあう人が出ないように、ワクチン接種後に体調が悪くなったという事実を伝えています。それなのに、なぜワクチンによる副反応であることを認めてもらえず傷つけられなければならないのでしょうか。」


「裁判官の方には公平な立場で判断して欲しいですし、公平に判断してくださると私は信じています。」

 

 4番さんは自身の思いを、3人の裁判官に直接伝えました。

 

 

 続いて東京弁護団の山本大地弁護士が、緊急促進事業が行われるようになった当時には、すでに国内外で本件HPVワクチンの危険性を示す知見が集積していたことについて、裁判官にスライドを示しながら意見陳述を行いました。


 山本弁護士は、まず、海外においても極めて多くのHPVワクチン接種後の有害事象報告が報告されており、アメリカでは2009年の段階で、32の死亡例を含め、ワクチン接種10万件あたり52.9件の有害事象報告がなされていたことや、メディアや論文でもHPVワクチンの危険性が問題視されて社会問題化していたことを説明しました
 そして日本においても、製薬会社と医療機関による症例報告(ケースカード)で様々なワクチン接種後症例が報告されており、神経障害が疑われる重篤な副反応報告例が複数あったことを説明しました。

 

 山本弁護士は、被告らはこうした知見を適切に評価しておらず責任を免れないと主張した上で、これ以上、将来ある若い女性たちに、人生を狂わせる深刻な副反応被害を生み出してはならないと述べて意見陳述を締めくくりました。

 

報告集会での配付資料より
報告集会での配付資料より

 口頭弁論終了後に弁護士会館で開催された報告集会には、原告ご本人、ご家族、支援の方々など、多くの皆様にご参加いただきました。
 報告集会では、はじめに、木下正一郎弁護士と水口瑛葉弁護士が、当日の法廷でのやり取り、原告・被告双方の主張や意見陳述の内容を説明しました。

木下正一郎弁護士
木下正一郎弁護士
水口瑛葉弁護士
水口瑛葉弁護士

 報告後には、意見陳述を行った原告番号4番さんの母や他の原告さんから、口頭弁論の感想やメッセージをいただきました。原告ご本人やご家族たちがお互いに励ましあう言葉には、原告・家族・支援・弁護士それぞれが大きく勇気づけられました。
 原告の皆さんやご家族の声が伝わり、裁判を闘っていく原動力をより一層強くした報告集会でした。

支援ネットワークへの参加を呼びかける大久保秀俊弁護士
支援ネットワークへの参加を呼びかける大久保秀俊弁護士

 次回は2019年11月25日(月)午後2時開廷です。これまでの期日は水曜日でしたが、次回は月曜日ですので、どうかご留意下さい。

 また次々回は2020年2月26日(水)午後2時開廷と指定されました。

 是非引き続きご支援下さい。

9月11日はHPVワクチン薬害東京訴訟第11回期日です

■日時:2019年9月11日(水)14時~15時15分


■場所:東京地方裁判所103号法廷

東京都千代田区霞が関1-1-4

■集合時間:13時10分(裁判所門前集会開始時刻)

傍聴案内ダウンロードはこちら

当日11時30分から有楽町マリオン前にて裁判傍聴を呼び掛けるチラシ配りも行いますので, こちらもぜひご参加ください。

 

当日は、原告本人および弁護団からの意見陳述等が予定されております。
是非、直接法廷にお越し頂き、応援をお願いします。
傍聴希望者が多数になった場合には抽選になりますので、予めご了承ください。

(抽選により傍聴できなかった方のために法廷外企画も準備しております)

また、期日終了後15時45分からは報告集会(会場未定)を予定しております。
こちらも併せてご参加ください。

 【当日のスケジュール】
  11時30分 有楽町マリオン前にてチラシ配り
  13時10分 裁判所正門前で門前集会(リレートーク)
  13時30分 傍聴整理券配布終了&抽選(予定)
  14時00分 第11回期日開始(東京地裁103号法廷)
   傍聴に外れた方のための法廷外企画(弁護士会館502DEF)
  15時45分 報告集会開始(弁護士会館502DEF)

 

【地図】
有楽町マリオン前(チラシ配り)
東京地方裁判所正門前(門前集会リレートーク)

弁護士会館(法廷外企画・報告集会会場)


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HPVワクチン薬害東京訴訟第11回期日のご案内
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12名の新たな原告~HPVワクチン薬害東京訴訟・大阪訴訟第3次提訴

東京地裁に提訴した宮森未琴さん(東京原告59番)
東京地裁に提訴した宮森未琴さん(東京原告59番)

 本日、HPVワクチンの接種で被害を受けた女性12名が、国とグラクソ・スミスクライン社、MSD社を被告として、東京地方裁判所と大阪地方裁判所で提訴しました。

 2016年7月27日に全国4地裁に一斉提訴しましたが、本日の提訴が東京訴訟・大阪訴訟ともに第3次提訴であり、全国の原告数は132名となりました。

 また本日の提訴で、初めて東北地方在住の被害者が原告に加わりました。

梅雨の晴れ間に恵まれた東京地裁
梅雨の晴れ間に恵まれた東京地裁
東京地裁に入廷する新規原告と東京原告団・東京弁護団
東京地裁に入廷する新規原告と東京原告団・東京弁護団

 原告総数61人となった東京の提訴後会見では、まず、全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士から、東京・大阪3次提訴にあたっての全国原告団・全国弁護団の声明を発表し、この訴訟を通じた被告らの法的責任の明確化と治療法の開発等を含む真の被害回復に向けた、社会からの支援を呼びかけました。

弁護士会館内で行われた東京提訴後会見
弁護士会館内で行われた東京提訴後会見

 続いて本日の提訴で東京原告59番となった宮森未琴さんが、自らが体験してきた被害の実情を説明しました。

会見で被害の実情を語る宮森さん
会見で被害の実情を語る宮森さん

 宮森さんはサーバリックスの2回目の接種後から足のしびれや倦怠感が続くようになり、これまでになかった喘息症状も出現して何度も入院を余儀なくされました。また、頭痛や腹痛、全身痛も悪化し、シャワーが体にあたるだけでも、針などがチクチクと降りかかってくるような痛みを感じるようになりました。

 高校には何とか進学しましたが、体調不良から授業についていくことが難しく、看護師になるという夢はあきらめざるをえず、大好きだった吹奏楽をも続けることができませんでした。

 高校は学校の理解の下で保健室登校といった努力を重ねて卒業できましたが、進学は諦めざるを得ず、就職を選択しました。しかしめまいや吐き気といった症状は悪化して仕事は続けることは難しくなり、現在19歳となった宮森さんは、フルタイムで働くことができないためアルバイトをして生活しています。

 今日の会見で、宮森さんは、将来に対しては不安しかないけれども、さらに自分たちのように辛い思いをする人が増え続けないように、声を上げられない仲間のためにも裁判に参加しようと決意したと話ました。

「私の中学、高校時代を返して下さい。私達被害者は、お金じゃ買えない大切な物を、幾度となく、なくしてきてるんです」

 そう語った宮森さんは、自分たちの症状を副反応と認めて治療法が研究され、より安全な子宮頸がんワクチンを開発されることが今の自分の望みであると記者に伝えて、会見での発言を終えました。

 会見には、同じく今回提訴した東京原告56番さんの母も出席し、娘の被害の実情を説明しました。サーバリックスを3回接種した後に生理不順や多汗症、めまいといった症状に苦しむようになった56番さんは、大学で栄養学を学ぶという夢を諦めざるを得ませんでした。20歳となった今も、一日中寝たきりの日々が続いています。56番さんには高次脳機能障害も出現しており、人の話を聞いていても声が音として聞こえてくるだけで、言葉の意味が理解できず、まるで外国にいるように感じることがあると、母に話すそうです。

「親である私達家族は、ただひたすら元の体に戻して欲しいことだけを望んでいます」

 56番さんの母は、このように述べて被害者への支援を呼びかけました。

 

 東北地方在住の被害者として初めて提訴した原告62番さんは、日常生活のほぼすべてに介助が必要なほど重い症状を抱えています。それでも原告62番さんは、一言だけでも自分で被害を訴えたいと願い、今日の提訴行動に参加するために上京を予定していましたが、体調がさらに悪化したため、参加することができませんでした。

 会見では、62番さんの母から託されたコメントを担当弁護士が朗読しましたが、その中では62番さんが「被害をなかったことにされたくない、自分としても裁判で証明していかないといけない」と言って裁判に加わることを決意したことが紹介されました。

 本日は大阪訴訟でも新たに3名の原告が加わり、大阪訴訟の原告総数は25名となりました。 

大阪地裁に入廷する大阪原告団・大阪弁護団
大阪地裁に入廷する大阪原告団・大阪弁護団
提訴後の会見に臨む児玉三紀子大阪原告団代表(大阪原告18番児玉望美さんの母)
提訴後の会見に臨む児玉三紀子大阪原告団代表(大阪原告18番児玉望美さんの母)

 既に提訴している大阪訴訟原告やその家族も一緒となって大阪地裁に入廷して訴状を提出し、記者会見を行いました。

 大阪弁護団からは、第3次提訴原告本人のコメントを紹介するとともに、第1次提訴から3年を経て、今なお被害者の救済が置き去りにされている現状を訴えました。

会見に出席したすでに訴訟中の大阪原告ら
会見に出席したすでに訴訟中の大阪原告ら

 また記者会見には、児玉三紀子大阪原告団代表(大阪原告18番児玉望美さんの母)とともに、第1次提訴の原告2番と第2次提訴の原告19番も参加して、現在も抱えている辛い症状について
 「いつも体調が悪いから、風邪を引いても気づくこともできない」
 「今も腰が、背中が痛い。突然耐えられない腹痛も来る」

と説明しました。

また、これまでの被告企業や被告国の応訴態度については、
 「提訴して3年、被告企業は、国はずっと同じ主張を繰り返している」
 「早く治療法を見つけてほしい。少しでも良いから寄り添ってほしい」
と訴えました。

 本日の東京・大阪3次提訴にあわせて公表された全国の原告の声を集めた文集は、東京と大阪の会見で配布しましたが、弁護団では、名古屋地裁・福岡地裁の各記者クラブにも配布し、被害は今なお続いていることを記者に説明しました。

名古屋地裁司法記者クラブで文集を紹介する高岡伸匡名古屋弁護団事務局長(右)
名古屋地裁司法記者クラブで文集を紹介する高岡伸匡名古屋弁護団事務局長(右)

 あらたな原告を迎えた全国原告団と全国弁護団は、HPVワクチン薬害問題の早期解決に向けて、団結して努力を続けていきます。今後ともご支援をよろしくお願いします。

元の体に戻してほしい~HPVワクチン薬害東京訴訟第10回口頭弁論

 2019年5月22日、HPVワクチン薬害東京訴訟第10回口頭弁論が開催されました。

 今回も期日に先立ち、有楽町マリオン前にてHPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク主催のビラ配りが行われました。

 ビラ配りには22名が参加して期日案内を配布し、原告本人や家族から、通行される方に対して被害の実情を説明しました。

 晴天の下、通りがかった人が自分から近づいてきてチラシを受け取ってくださったり、HPVワクチン被害について尋ねられるなど、多くの反響がありました。

 裁判所前で実施したリレートークでは、東京弁護団副代表の阿部哲二弁護士から、提訴から3年近く経過しており、この4月には裁判長が交代したことを説明し、今回の期日が、あらためて裁判所に対して事件の重大さや被害者の苦しみ、そしてワクチンに重大な欠陥があることを示す重要な機会であることを、傍聴に訪れた皆さんに伝えました。

 東京原告8番の佐藤奈津美さんは、記憶障害によって日常生活に支障が出ていることや、裁判のために北海道から東京まで来ると、足が動かなくなってしまうといった被害の苦しみを説明し、被害の実態を知ってほしい、関心を持ってほしいとの思いを伝えました。

 傍聴に参加した学生の方からは、社会の様々な立場の人がこの裁判に関わり、引き続き支援していく必要があると呼びかけていただきました。

 午後2時に開廷した口頭弁論では、東京原告33番の山田梨奈さんが、大浜寿美新裁判長と向き合って、意見陳述を行いました。

 山田さんは、幼稚園から小学校まで一度も休むことなく皆勤を続けており、ダンスやバスケットボール、水泳など体を動かすことが好きでした。しかし、中学1年生のときにガーダシル3回を接種したことで学校に通うこともできなくなり、彼女の生活は大きく変わってしまいました。

期日後の記者会見に臨んだ山田梨奈さん(東京原告33番)
期日後の記者会見に臨んだ山田梨奈さん(東京原告33番)

 それなのに担任の先生からはあたかも詐病であるかのように扱われ、保健室の利用や授業の見学についての配慮を受けられず、辛い思いを抱えることもしばしばでした。たとえ原因がわからなかったとしても、国がそれを学校にもっと早くに、きちんと周知してもらえていえれば学校の対応も変わったと思うと語った山田さんの思いは、多くのHPVワクチン薬害被害者に共通するものでもあります。

 中学2年生になってからは、右わき腹の肋骨あたりがひどく痛み、少し笑っただけでも激痛が走るほどでした。さらに左股関節と左足に痛みが生じるようになり、次いで右足にも痛みが出て歩けなくなりました。骨をのこぎりで切られるような激痛が発作的に出現して突然歩けなくなるため、外出時はほとんど車いすを使うようになり、通学にも大きな支障が出るようになってしまいました。

 中学2年の冬から中学3年となるころには、睡眠障害や失神、記憶障害といった症状も出現するようになりました。階段やエスカレータを登っている途中で突然気を失ってしまい、落ちてけがをしたこともありました。

 高校1年になり、専門施設で精査を受けてHPVワクチン後脳機能障害と診断されましたが、治療の手段もないため症状は改善しませんでした。演劇が好きで劇団に入って演技を学びたいという夢を持っていた山田さんでしたが、こうした体調のために、その夢に向かい合う機会も得られませんでした。

  

「自分ではもっと努力して頑張りたかったのですが、ひどい頭痛や痛みが突然出たり、自分はどうしようもない睡眠障害や記憶障害が出たりするので、体調が許しませんでした。」

 

「私にとって今の状態は、夢に向かって努力することも、自立して生活することも難しく、補償も治療もほとんど受けられないという状況です。もっと友達と楽しい時間を過ごしたかったし,お芝居に夢中になりたかったですが,それもかないません。」

 

「元の体に戻してほしい。どこかに行ってしまった私の楽しかったはずの大切な時間を返してほしい。それだけです。」

 

 そう語った山田さんの言葉からは、悔しさと悲しみがにじみ出ていました。

 続いて、東京弁護団の関口正人弁護士より、本件HPVワクチンには有用性が認められないことについて、裁判官にスライドを示しながら意見陳述を行いました。

報告集会で法廷でのプレゼン内容を解説する関口正人弁護士
報告集会で法廷でのプレゼン内容を解説する関口正人弁護士

 関口弁護士は、医薬品一般の有用性の意義と判断基準、そして健康人に対して使用するワクチンの場合には特に高い有効性と安全性が認められる必要があることについて、まず説明しました。
 その上で、本件HPVワクチンの場合、副反応が重篤でかつ発生頻度が際立って多いことなどから危険性が大きい一方で、子宮頸がんが罹患者数も特に多くなく予後も比較的良好であることや、子宮頸がんそのものに対する予防効果が確認されていないことなどからその有効性は限定的であり、さらには代替手段としての検診の存在を考慮すれば、本件HPVワクチンには有用性が認められず、製造物責任法上の「欠陥」が認められることを具体的に主張しました。

 

 期日終了後の司法記者クラブでの記者会見では、全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士より、提訴から約3年が経過し、提訴時には未成年だった原告の多くは、成年に達しているが、何も解決していないという実情にあることを説明しました。

 法廷で意見陳述を行った山田さんも記者会見に出席し、自立をしていかなければならない年齢に差し掛かっているが、今も車椅子で生活しており、アルバイトをフルタイムで行うこともできないため、将来がとても不安であるが、そんな中でも状況を変えようと勇気を出して実名で法廷で話をしたことを、直接記者に説明しました。

 山田さんの担当である鈴木順弁護士からも、以前は活発に動くことができていた山田さんの現在の生活にはいろいろな制約が重くのしかかっていることについて、多くの人に知ってもらいたいと願っていることを伝えました。

 

 会見と並行して弁護士会館で開催された報告集会には、40人以上の方にご参加いただきました。被害者と同世代の学生さんも多く集まって下さり、原告もその家族も、皆とても勇気づけられたと思います。

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