2019年10月10日、HPVワクチン薬害名古屋訴訟第12回口頭弁論期日が開かれました。
当日は、秋らしい晴天にも恵まれ、午前10時30分頃から、支援に駆けつけてくださった方々とともに名古屋駅前の街頭に立ち、HPVワクチンの副反応被害の実態を訴えながら、期日の告知を行いました。
この街頭リレートークには、岐阜県各務原市の杉山元則市会議員も応援に駆けつけて下さいました。自治体の関係者としてHPVワクチンの接種を推進してしまったことへの思いを率直にお話下さいまして、本当にありがとうございました。
リレートークと並行して、HPVワクチン名古屋訴訟支援ネットワークのFacebookページにつながるQRコードが掲載されたポケットティッシュを配りました。30分ほどの間に500個近くを受け取っていただくことができました。
リレートーク中には、足を止めて聞いて下さる方や、メッセージボードの内容を写真で撮影して下さる方もいらっしゃいました。HPVワクチン薬害の実情を知って欲しい!という思いを持って多くの方に情報を伝えていくことの大切さを、あらためて感じることができました。
法廷が始まる前には、名古屋地方裁判所の前で期日前集会を行いました。
今回の法廷にも、暖かくこの裁判を見守り続けて下さる支援者の皆さんが多数傍聴のためにご来場下さいました。体調不良をおして期日に出席している原告さんにとって、傍聴席からの励ましの視線が、本当に大きな心の支えとなっています。
HPVワクチン薬害訴訟東京弁護団の牧山秀登弁護士からは、東京訴訟でも大勢の支援者に支えられながら大勢の原告さんが訴訟に参加していることを報告しました。
神田沙也加HPVワクチン名古屋訴訟支援ネットワーク世話人(薬剤師)からは、薬を扱う者として、個々の患者さんの被害実態に目を向けていくことが重要と考えていることを、来場者に伝えました。
大勢の支援者とともに名古屋地裁に入廷した後、午後2時より、1階の1号大法廷において、第12回口頭弁論期日が開かれました。
今回の法廷では、名古屋弁護団の本多亜希弁護士が、HPVワクチンを製造販売した被告GSK・被告MSDと、積極的に接種を推奨した被告国が接種を受ける人に提供した情報には、著しい不備があったことを説明しました。
医薬品を使用可能にするには、有効性と危険性に関する情報が正確に提供される必要があります。特にワクチンは、健康な人に使用される医薬品ですので、接種を受けるどうか自分で適切に判断できるだけの、正確で十分な内容の情報が提供される必要があります。
しかし被告GSKが製造販売したサーバリックスの添付文書は、HPVワクチンによる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)や中枢神経系の脱髄といった、自己免疫疾患を含む重篤な副反応症例がすでに海外で報告されていたことを踏まえた内容となっていませんでした。
国内でサーバリックスの製造販売が承認された後、少し遅れて被告MSDのガーダシルが承認されるまでの間には、海外の副反応症例が更に積み上がっていました。
またガーダシル承認までの間には、被告GSKが日本国内で先行販売したサーバリックスによる重篤な副反応症例も報告されていましたが、ガーダシルの添付文書に記載された情報も極めて不十分なものでした。
HPVワクチンの危険性を踏まえれば、そもそもサーバリックスやガーダシルの製造販売が承認されてはならなかったことは、すでに原告の側から主張を尽くしていますが、国がこうした不備のある添付文書を前提として製造承認をしたこと自体によっても、国家賠償責任が生じます。
しかも被告国は、緊急促進事業を通じて、巨額の公費を投じながらHPVワクチンの接種を推進しました。その際に国が中高生やその保護者に提供した情報も、上記スライドのように極めて不十分なものでした。
このように被告国自身が十分な情報提供を怠ったため、国の接種推進政策の下で実際にHPVワクチン接種を担当することとなった市町村が、接種対象者や保護者に提供した情報にも、著しい不備が生じてしまいました。
個別の自治体が接種対象者に送付した文書の中には、
「予防接種後、腫れたり熱が出たりしても、それは胎内でウイルスと戦う抗体をつくろうとがんばっているから。」
「通常は数日で治るから大丈夫!!」
と書かれたものもありました。
こうした説明を読んでHPVワクチンの接種を受けた原告らは、接種から7~8年を経た今も、重篤な副反応被害で苦しみ続けています。
このような被害が放置されてよいのでしょうか?
今回法廷で説明した被告GSK・被告MSD・被告国の情報提供上の責任の内容については、期日後の報告集会でも、スライドを上映しながら要点の解説を行いました。
そして報告集会では、支援ネットワークのみなさんをはじめ、支援に駆けつけて下さった方々から、たくさんの激励のコメントをいただいたほか、各地弁護団から、地元の訴訟の状況などを説明しました。
さて、10月20日には、午後1時30分より名古屋市内の鯱城ホール(伏見)において、第21回薬害根絶フォーラムが開催されます。全国の薬害被害者団体が年に1回一堂に会して薬害再発防止を訴える会合ですが、名古屋で開催されるのは今回が初めてです。HPVワクチン薬害訴訟全国原告団も、主催者である全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)のメンバーとして参加します。
今回のフォーラムは、現在訴訟中のHPVワクチン薬害に焦点を当てた企画構成となっており、当日は落合晴香さん(名古屋訴訟原告12番)と谷口鈴加さん(名古屋原告団代表・名古屋原告1番母)も登壇します。
是非大勢の方にご参加をいただければと思います。
次回の名古屋訴訟は2020年1月23日午後2時開廷です。当日は午前10時30分から名古屋駅桜通口ロータリーで街頭リレートークも行います。
どうか引き続きご支援下さい。