九州訴訟の裁判期日・報告集会が行われました

2022年4月18日(月)、九州訴訟の期日が開催されました。

 

 今回も新型コロナウイルスの影響により、期日は公開法廷での実施ではなく、ウェブによる弁護士のみの手続となりました。

裁判長が交代となりましたが、引き続き、裁判の進行スケジュールについて意見交換がなされました。

 

 期日後に開催したオンラインでの報告集会には、全国各地から初参加の方を含む約40名の方にご参加いただきました。

 報告集会では、原告が準備書面46で主張した被告MSDの疫学研究に対する反論内容について、弁護団の島翔吾弁護士より、報告しました。本件各ワクチンは承認時に有効性を備えていなければならないので、仮に近時の疫学研究から本件各ワクチンの有効性が明らかになったとしても、承認時にさかのぼって本件各ワクチンの有効性があったということにはならないという前提となる話や、被告MSDが有効性に関する疫学研究は、ガーダシルの有効性が認められる根拠とならない理由について説明しました。

 

沖縄在住の24歳の原告さんから鋭い刃物で刺されるような頭痛、息苦しさなどの症状があることや、HPVワクチン接種前の中学1年生の時の夢を実現することができず、症状のために働くことも学ぶこともできず移動も1人ではできない辛さなどについてお話いただきました。用意された原稿を手に、隣でお母様がサポートされて、途中過呼吸を生じ言葉につまる状況になりながら最後までお話いただきました。

その他の九州の原告さんも、体調がすぐれない中、役に立ちたいという思いから、国に対して間違った政策をとったことをしっかり認め、これから責任をとって被害者とともに寄り添ってやっていくという姿勢を見せてほしいと発言されるなどしました。

原告の梅本さんからは、福岡市、北九州市に対してHPVワクチン積極勧奨について現在も副反応被害者が十分に把握されていない状況で被害者が増える可能性があるのできちんと把握してほしいと要望されたことなどを報告いただきました。

 

これらの原告の方の思いに応えるように、支援の会の猿渡さんからは、これまで原告が長期間副反応被害に苦しんでいる状況に触れられ、今原告に寄り添う形でやれることは何でもやりたいという思いでいるとして、全国支援ネットワークの立ち上げの状況や現在の支援の状況についてご報告いただきました。また沖縄の支援の会の渡辺さんより3月に開催された横田医師による子宮頸がんワクチン副反応勉強会の様子についてご報告いただき、沖縄で支援の輪が広がっている状況や沖縄タイムズで大きく取り上げられたことなど弁護団としてもとても嬉しく思いました。

その他、全国弁護団代表の水口弁護士より現在衆議院で審議されている薬機法改正に関して共産党の宮本議員がHPVワクチン副反応に関連する質問をされたことの報告や、同代表の山西弁護士から弁護団内部で検討をすすめている事項についての報告があり、「裁判で絶対勝ちます」と力強いメッセージをいただきました。

 次回九州期日は、2022年7月11日(月)14時と指定されています。次回は、久しぶりに公開法廷で期日が開かれることを期待しています。報告集会ではここでしか聞けない、ブログに書けない話も盛りだくさんとなっていますので、ぜひご参加ください!!