九州訴訟の裁判期日(原告本人尋問梅本さん、原告10番さん)が開催されました

 2024年1月22日(月)、HPVワクチン薬害九州訴訟口頭弁論期日が開催されました。全国4地裁で実施される本人尋問のトップバッターとして原告の梅本美有さん、原告番号10番さんのお2人の、本人尋問が行われました。

 

 梅本さんは、HPVワクチン接種前、中学では生徒会活動、高校では軽音楽部の活動など充実した学生生活を送っていました。将来は子どもに関わる保育士になりたいという夢も抱いてました。

 しかし、高校1年時のHPVワクチン接種後の副反応により足の痛み、身体の痛み、吐き気、倦怠感が出現し、楽器の演奏ができないというだけではなく、お風呂に入ることが困難になったり、勉強も満足にできなくなりました。

 高校を転校せざるをえなくなり、また進路を変更し希望した大学生活を送れず、また体調に不安があるという理由から公務員の障害者枠で就職することを選択し、それでも体調悪化のため働き続けることができなくなりました。

 梅本さんは、裁判官たちに対して「25歳になった今、生活をしているのがやっとで、周りの友人たちとは違う世界で存在しているようだ」「なぜ私だけがこんな目に遭わなければならないのか」「今の体で10年20年生きろと言うのか、死ねと言われるより残酷なことだ」「人生を返すことができないならせめて治療法の確立に力を注いでほしい」と訴えました。

 

 

 原告10番さんは中学1年生の時にHPVワクチンを接種し、高校進学後、記憶障害が出て進学、学習、友人関係に支障が生じました。

 それでもワクチンの副反応に寄り添ってくれた医師のようになりたいと前向きに国立大学医学部進学を目指し、模試でも合格圏内になるまで頑張るもセンター試験で、手のしびれが出てきて、回答を導くための計算などをうまく書くことができず、二次試験は、体調が悪化して受験すらできなかったということでした。

 現在は、通信制の大学に進学し、高校時代の友人とも7年ぶりに再会、少しづつ人生を取り戻し生きる過程にあるとのこと、しかしワクチンには素晴らしい意味があるものと思っていたのに、「反ワクチン」であると言われることが理不尽であるとの思いを語られました。

 

 原告の真摯な訴えに対して、被告の製薬企業は、「心因性という主張は気のせいというものではなく、症状そのものを認めているというということは理解しているか」と自らの主張を原告に質問するなど、被害に目を向け真摯に向き合う姿勢は感じられませんでした。

 この日の裁判で原告が証言した内容については、「HPVワクチン訴訟で初めて原告が法廷で証言」といった見出しでテレビや新聞などにも大きく取り上げられていて、これまで副反応の被害を知らなかった方に関心をもってもらう機会にもなったのではないかと思います。

 

次回の九州訴訟の期日は2024年4月17日(水)です。九州訴訟原告2名の本人尋問が行われます。12時から12時半の間に、福岡地方裁判所で傍聴整理券が配布されます。一人でもたくさんの方に傍聴に来ていただき、原告の訴えに耳を傾けていただければと思います。

 

<九州訴訟の今後の予定>

4月17日(水)13時15分〜 原告本人尋問

7月10日(水)午後(13時頃〜) 原告本人尋問

 

~期日後報告集会の様子~

【尋問担当者からの説明(左から)栁弁護士、梅本さん、嶋弁護士】
【尋問担当者からの説明(左から)栁弁護士、梅本さん、嶋弁護士】
【弁護団の徳田靖之弁護士】
【弁護団の徳田靖之弁護士】

【大分からの支援者山崎兼雄さん】
【大分からの支援者山崎兼雄さん】
【九州弁護団代表の小林弁護士】
【九州弁護団代表の小林弁護士】