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2025年7月16日(水)午前11時より、HPVワクチン薬害九州訴訟の口頭弁論期日が福岡地方裁判所で開かれました。
この日の期日では、心療内科および総合診療の専門家である本郷道夫証人に対する反対尋問が実施されました。本郷証人は、今年4月の主尋問において「原告らに神経学的な異常は認められなかった」「症状は既知の疾患で説明可能である」「原告らの症状はHPVワクチンが原因であるとは考えられない」と証言していました。今回の反対尋問では、九州弁護団の井上敦史弁護士と石井謙一弁護士が、本郷証人の意見書及び証言の信用性に関する質問を行いました。
期日の冒頭、弁護団は、本郷証人だけでなく、大阪地方裁判所で証人として出頭した三木健司証人についてもMSD株式会社から訴訟関連業務委託費として1000万円以上もの金額を受領していたことを示す資料を提出しました。これに対し、MSDの代理人弁護士が証拠の取り調べに異議を唱え、一時審理が紛糾する場面もありました。
その後の尋問の中で本郷証人は、2019年度にMSDから訴訟関連業務委託費として616万円を受領していたことを認めました。ただ、直接MSDから振込があったのではなく、法律事務所から振り込まれているという言い訳をされました。本郷証人が証言した法律事務所とはMSDの代理人が所属している事務所なので、全く言い訳にもなっていないのですが。
さらに、本郷証人は2019年度だけでなく、2020年以降も本件訴訟に関連してMSDから報酬を受け取っており、その金額は616万円を上回ることを認めました。尋問に当たり、弁護団で調査していたところ、MSDのホームページ上では、2019年度まで本郷証人に金銭を支払っていたことを記載していましたが、2020年度以降については本郷証人に金銭を支払っていたことが記載されていませんでした。これにより、これまで公表されていなかったMSDと専門家証人との間の利益相反関係、透明性が確保されていない状況がより明らかとなりました。
また、本郷証人が「原告らは自己免疫性脳症ではない」と診断している点について、証人が自己免疫性脳症に関する論文は執筆をしていないこと、また臨床においてその診療経験がないことが確認されました。これは、証人がこの分野において専門外であることを示すものです。
原告から、自己免疫性脳症の診断基準や免疫吸着療法の効果について問われた際にも、本郷証人は明確な回答を避け、原告らの個別の生活環境や背景に焦点を当てて、症状とHPVワクチンとの因果関係を否定する姿勢を貫きました。
証人は、自己免疫性脳症について「100万人に1人いるかいないかのきわめて稀な病気」と繰り返し主張しましたが、これに対して原告側は「実際には10万人に13.7人とのデータがある」と反論しています。また証人は、「そんなに多くの患者がいるはずがない」「おかしい」と発言し、カルテを見る前から原告らが自己免疫性脳症である可能性を否定していたことがうかがえました。
さらに、「HANSの診断基準を作ったのは、新しい病態を作りたい人たちだ」との発言もあり、未知の疾患の存在自体を否定するかのような姿勢が見受けられました。
HPVワクチン接種後に歩行障害が生じた原告に対しても、証人は「ワクチンではなく委員長に選ばれたことによるストレスが原因」と断言し、その他「学校には行けないのにライブやテーマパークには行けることが問題」といった発言をし、傍聴席から驚きの声があがる場面もありました。
裁判終了後には福岡県弁護士会館で期日の報告集会が開かれました。
裁判の傍聴が初めてだったという福岡大学の学生からは、「心因性や養育環境など、ワクチンと無関係な原因に無理やり結びつけようとしている印象を受けた」「専門家の意見が原告の人生に与える影響は大きく、本当にこのままでよいのか疑問を感じた」との感想が寄せられました。
また、薬害肝炎九州訴訟の原告であった出田妙子さんからは、「企業の利益を守るために、国民の命や健康を後回しにしていると感じた。怒りを覚える」との声もありました。
大変充実した期日だったことはもちろん、傍聴された方の感想で、「もっと静かな裁判を想像していましたが、実際は想像以上に緊張感があり、やり取りも活発で驚きました。」と参加してよかったとの意外な視点からの感想もあり嬉しく思いました。
次回はいよいよ九州訴訟の最後の原告本人尋問期日です。
10月20日(月)、福岡地方裁判所の大法廷にて実施されます。
傍聴席から証言に立つ原告、そしてすべての原告たちに、ぜひあたたかいエールをお送りください。
<九州訴訟の今後の予定(2025年)>
10月20日(月)13時15分~ 原告本人尋問
2025年7月16日に期日が開かれますのでお知らせいたします。
次回期日は、心療内科の本郷道夫氏に対する反対尋問期日です。
前回は被告側の弁護士との一問一答でしたが、今回は原告側の弁護士との一問一答で、被告側の主張の問題点を明らかにします。
次回が最後の被告側専門家証人の尋問です。
ぜひ、傍聴(抽選があります)・報告集会にお越しいただき、ご支援ください。
日時:2025年7月16日(水)11時00分~17時00分 @福岡地方裁判所
※当日は傍聴券の抽選があります。
10時15分に抽選がおこなわれますので、10時15分までに傍聴整理券をもらってください。
傍聴整理券は9時45分から10時15分まで配布されます。
配布場所は裁判所南側ロータリー付近です。
※今回門前集会はおこないません。
※抽選に外れてしまったみなさま向けに、裁判所となりの弁護士会館2階大ホールにて法廷外企画を実施します。
※期日後、報告集会を予定しておりますので、そちらにもぜひご参加ください。
(場所:弁護士会館2階大ホール)
また、報告集会はzoomでも配信いたします。
<今後の予定>
10月20日(月) 原告7番・17番 本人尋問
10月の期日は、最後の本人尋問です。
原告7番さん、17番さんが裁判所に自らの被害を訴えます。
傍聴席をいっぱいにして、彼女たちにエールを送りましょう!
ぜひ、今から予定を確保しておいていただければ幸いです。
2025年4月16日(月)午前11時から、HPVワクチン薬害九州訴訟の口頭弁論期日が開かれました。
4月に裁判長が交代となりました。
1月27日に被告側GSKが証人申請をし専門家証人として証言した脳血流SPECTの専門家である畑澤順氏に対する原告側からの反対尋問が行われました。
畑澤証人は主尋問で、原告らが提出した脳血流SPECT検査結果では異状が認められないなどと述べられていました。
これを受けて、弁護団の岡田佳那美弁護士、前田牧弁護士、中西一裕弁護士が、畑澤証人に対して畑澤証人に対して、一問一答の反対尋問を行いました。
反対尋問では、畑澤証人はHPVワクチンの副反応被害を訴える患者の診察例はないこと、脳血流SPECT画像を確認したのは被告GSKから提供を受けた原告3~4名分であることが明らかとなりました。
弁護団からは脳血流SPECT検査が脳血管障害、認知症、てんかん以外の脳疾患の診断においても有用であり実際に新型コロナ感染後遺症、ハンチントン病などの診断に活用されていること、研究途上の疾患群についての臨床データの蓄積過程で脳血流SPECTが有用であること、証人の反論を踏まえても原告の脳血流SPECTの報告の信用性には問題がないことなどを指摘しています。
畑澤証人も、脳血管障害、認知症、てんかん以外では実臨床で脳血流SPECTが行われることは基本的にはないと意見書に記載していたところ、病態解明を目的とする研究で脳血流SPECTが有用であることを認めていました。
他方で、畑澤証人は、尋問のなかで聞かれていないことを答え、原告側で提出した論文の共著者の専門領域について誤認した発言などもありました。新型コロナ感染後後遺症の病態解明のために広くSPECTが行われている事実を認めず、またSPECT検査の保険適応の範囲・実情について独自の見解を繰り返し述べていました。
弁護団としては、畑澤証人の反対尋問を経て、畑澤証人の証言内容からしても、原告がHPVワクチン接種後副反応症状を発症したことは否定されるものではないと確信しました。
裁判期日終了後には、福岡県弁護士会館にて報告集会が開かれ、たくさんの支援者の方にご参加いただきました。
報告集会のなかでは、地元の市議会議員である森あやこ議員、長野さとし議員らが、身体に取り入れるワクチンについては副反応も含め、正しい情報を届けることが重要であると応援のメッセージをいただきました。
また、薬害肝炎原告団の出田妙子さんからは、原告を招いた勉強会を開催したことの報告があり、男子へのHPVワクチンの接種の動きについては阻止しなければならないとの訴えがありました。
原告からも、畑澤証人に対して、医学は研究の積み重ねで確立していくもので畑澤証人のようにただ批判するだけの姿勢でよいのか、高嶋先生のような目の前の患者を治療しようとする姿勢があるべき専門家の姿勢ではないのかとのコメントがありました。
また翌週の4月21日(月)午後2時からは、被告側MSDが証人申請した自律神経障害の専門家であり心療内科の本郷道夫氏の主尋問が行われました。本郷証人は、原告の25名分の医療記録を見たところ原告らに神経学的な異常はみられなかった、既知の疾患名で診断することができる、原告らの症状の原因をHPVワクチンと考えることはできないといった証言がありました。
期日終了後に開かれた報告集会では、期日を傍聴した原告や原告の家族から実際に遊びに出かけることができているように見えても症状で制限されたり準備を要していることや、治療効果などを踏まえて本郷証人の証言のおかしさについていくつも疑問が呈されました。
他にも、キャッチアップ接種者に対する葉書が届いて悔しかった、副反応被害のため成人式に参加できなかった子がいたということを聞いて自分たちの行動を広げていかないと新たな被害者を生んでしまうなどのお話もなされました。
各地での副反応被害の勉強会の開催、裁判を記録した上映会の開催、大分ではHPVワクチン副反応被害をテーマにした演劇の上演予定など支援の輪が広がっていることに励まされます。
次回の期日では、弁護団より、本郷証人に反対尋問を行い、本郷証人の証言の誤りを明らかにしたいと思います。
次回の九州期日は7月16日(水)11時~本郷証人の反対尋問です。引き続きご支援のほどよろしくお願いします。
<九州訴訟の今後の予定(2025年)>
7月16日(水)11時~ 被告側専門家本郷証人・反対尋問
10月20日(月)14時~ 原告本人尋問
~期日後報告集会の様子~
2025年4月は2回期日が開かれますので、併せてお知らせいたします。
1回目は、4/14(月)11時〜
SPECTの専門家である畑澤順氏に対する反対尋問期日です。
前回は被告側の弁護士との一問一答でしたが、今回は原告側の弁護士との一問一答で、被告側の主張の問題点を明らかにします。
2回目は、4/21(月)14時〜
心療内科の本郷道夫氏に対する主尋問期日です。
被告側弁護士との一問一答により、ガーダシル接種後の副反応を訴えている原告らの症状について、思春期心身症であると証言するのではないかと思われます。
被告側専門家証人の尋問もいよいよ中盤に差し掛かってきました。
ぜひ、傍聴(抽選があります)・報告集会にお越しいただき、ご支援ください。
1回目
日時:2025年4月14日(月)11時00分~17時00分 @福岡地方裁判所
※当日は傍聴券の抽選があります。
10時15分に抽選がおこなわれますので、10時15分までに傍聴整理券をもらってください。
傍聴整理券は9時45分から10時15分まで配布されます。
配布場所は裁判所南側ロータリー付近です。
※今回門前集会はおこないません。
※抽選に外れてしまったみなさま向けに、裁判所となりの弁護士会館2階大ホールにて法廷外企画を実施します。
※期日後、報告集会を予定しておりますので、そちらにもぜひご参加ください。
(場所:弁護士会館2階大ホール)
また、報告集会はzoomでも配信いたします。
2回目
日時:2025年4月21日(月)14時00分~16時15分 @福岡地方裁判所
※当日は傍聴券の抽選があります。
13時15分に抽選がおこなわれますので、13時15分までに傍聴整理券をもらってください。
傍聴整理券は12時50分から13時15分まで配布されます。
配布場所は裁判所南側ロータリー付近です。
※今回門前集会はおこないません。
※抽選に外れてしまったみなさま向けに、裁判所となりの弁護士会館2階大ホールにて法廷外企画を実施します。
※期日後、報告集会を予定しておりますので、そちらにもぜひご参加ください。
(場所:弁護士会館2階大ホール)
また、報告集会はzoomでも配信いたします。
<今後の予定>
7月16日(水) 本郷証人 反対尋問
10月20日(月) 原告7番・17番 本人尋問
10月の期日は、最後の本人尋問です。
原告7番さん、17番さんが裁判所に自らの被害を訴えます。
傍聴席をいっぱいにして、彼女たちにエールを送りましょう!
ぜひ、今から予定を確保しておいていただければ幸いです。
過去の記事はこちらから確認できます。