Q 名古屋市が行った調査に関する論文についての問題点を教えてください。

 名古屋市が2015年に実施した「名古屋市子宮頸がん予防接種調査」の解析結果であるとして、2018年に名古屋市立大学鈴木貞夫教授による論文が発表されました。論文では「ワクチンと報告されている症状あるいは副反応との間に因果関係はないことが示唆された」と結論付けられています。
 しかし、この論文については不適切な年齢調整が行われていることや、結果や考察において恣意的な解釈がなされていること等、多くの問題点が存在しています。本調査の解析から因果関係がないことが示唆されたとする結論を導くことは誤りです。
 この論文が掲載された雑誌は、ワクチンメーカーとの深刻な利益相反関係にあります。このことが、問題のある論文掲載の背景にあるものと推測されます。
 鈴木論文の問題点については、薬害オンブズパースン会議が詳細な見解を公表しています(「名古屋市子宮頸がん予防接種調査に関する論文についての見解」、 「『名古屋市子宮頸がん予防接種調査』に関する鈴木貞夫論文についての見解(2)-鈴木教授による「回答」について-」 )。