2021年8月30日18時から、東京訴訟期日の報告集会がオンラインで開催されました。
東京弁護団事務局長の関口正人弁護士から、本日の期日に原告から2本の総論準備書面及び原告の個別準備書面を提出したこと、総論については当事者の主張が出尽くしている段階であることそして準備書面の内容等の報告がなされました。
東京弁護団代表の水口真寿美弁護士から、情勢として、厚生労働省によるリーフレット改訂問題、大分の支援ネットワークによる独自調査、NHK「おはよう日本」の特集への抗議を行ったこと、薬害根絶デー(8月24日)といった活動が報告されました。また、HPVワクチンをめぐる問題点を多角的に捉えた書籍『子宮頸がんワクチン問題 社会・法・科学』(原題「HPV Vaccine On Trial」)の日本語版が出版されたことが紹介されました。
東京原告56番さんから、被害等について、お話いただきました。
原告56番さんは、強い疲労や高次脳機能障害のいった副反応の症状に苦しんでいます。強い疲労感のために、家事や趣味のお菓子作りが難しくなり、「頭に靄がかかり、自分がガラスケースの中にいる」といった感覚の脳の症状から、家族との会話がうまくいかない場面もあります。副反応被害を周りの友人らへ話すことも気を遣わなければなりません。
一方、この出来事がきっかけで、社会や自分を見直すきっかけになったり、薬に慎重に向き合うようになったり、多くの人との出会いを生むこともありました。このこと前向きにとらえ、これからも被害を周りに伝えていきたいとお話しされました。
今回の報告会では、支援者のみなさまから支援に関わるようになったきかっけなどのお話もいただきました。
大川宝作さんは、2019年11月から支援活動にかかわりました。支援にかかわった理由は、娘さんのHPVワクチン接種を止められなかったこと、自身がステロイド治療で苦しんだこと、ご両親が終末期の過剰医療に苦しめられたこと、そして難民高等弁務官事務所職員という前職の経験等、長年社会的な活動にかかわっていたことの4つです。大川さんは薬害を副反応被害者だけの被害ととらえず、社会全体の問題ととらえることも必要だと訴えました。
橋本弘紀さんは、奥様を子宮頸がんで亡くされたという悲しい過去があります。診療放射線技師として仕事をしており、改めてワクチンについて考える中で、HPVワクチンの有効性などに疑問を感じるようになり、支援の活動にかかわるようになりました。支援の活動の初めは自信がない時もありましたが、被害者のご家族からのお声掛けも支えになったそうです。橋本さんは弱者を切り捨ててはいけないと画面上から訴えました。
そして、東京支援ネットの江川守利さんから、10月には東京支援ネットの総会を開き、兵庫県多可町の元町長の戸田善規氏の講演を予定している、といった案内がなされました。
最後に、水口真寿美弁護士から、被害者として、被害を語ること、支援者としてかかわること、それぞれのストーリーを描くことが重要であることを参加されたみなさまに語りかけて報告集会は閉会となりました。
集会には最大60人の参加がありました。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。
今後の活動:
10月18日 九州期日
10月24日 薬害根絶フォーラム・オンライン集会(薬被連)
11月15日 東京訴訟期日
12月9日 大阪期日