Q 緊急促進事業にはどのような問題点があったのでしょうか?

 「Q 子宮頸がんワクチン等緊急促進事業とはなんですか?」記載のとおり、緊急促進事業は積極的勧奨・公費助成を伴う、実質的には定期接種化の前倒しする事業でした。

 定期接種(A類疾病)のワクチンとして行政がお勧めするためには、「Q どのような要件を満たせば定期接種(A類疾病)ワクチンとなるのでしょうか?」記載のとおり、任意接種ワクチンよりも高い有効性・安全性が認められ、集団予防の目的と効果が認められる必要があります。

 しかし、HPVワクチンは効果の確認が不十分であった上、効果が期待できるウイルスの型も限られていました。また、既に海外では、自己免疫関連の炎症や疾患、神経障害を含む副反応報告も出ていました。したがって、任意接種ワクチンとしての有効性・安全性はもちろん、任意接種ワクチンよりも高い有効性・安全性も認められませんでした。

 高い有効性・安全性の審査が行われていなかったことも問題です。「Q どのような要件を満たせば定期接種(A類疾病)ワクチンとなるのでしょうか?」記載のとおり、過去の予防接種行政では、日本国内における任意接種ワクチンとしての使用実績をみてから定期接種の対象としてきました。ところが、サーバリックスについては製造販売承認からわずか1年しか使用実績がないにもかかわらず、ガーダシルについてはまだ一度も国内で使用実績がないにもかかわらず、緊急促進事業の対象とされたのです。 

 また、HPV感染症は性感染症であり、日常生活や集団生活で感染が広がるものではありません。また、HPVワクチンは直接的な集団予防効果も確認されていません。ですから、HPVワクチンについて積極的勧奨をして、接種率を上げる必要もありませんでした。