Q  WHOはHPVワクチンが安全だとして接種を積極的に勧めているようですが、どのような問題がありますか?

 WHOのワクチン安全性諮問委員会(以下「GACVS」といいます。)は、HPVワクチンの有効性は確立しており、ワクチンの推奨を中止しなければならないような安全上の懸念はなく、充分な裏付けのない政策決定は安全で有効なHPVワクチンの使用を妨げることになり実害が大きいとして、日本でのHPVワクチンの積極勧奨が中止されている現状を名指しで批判しています。

 しかし、GACVSがHPVワクチンの安全性の根拠とする論文は、HPVワクチンの副反応に特徴的な自己免疫疾患の特殊性を踏まえた疫学的解析となっていないものや、HPVワクチンがこれまでのワクチンとは異なり特異な作用機序をたどるものであることが考慮されないものばかりです。また、GACVSは、HPVワクチン接種後症状について自ら調査をしていないばかりでなく、HPVワクチンに関する利益相反があり、その姿勢は中立性を欠いたものであると評価せざるを得ません。結局、現在もワクチンの安全性は認められていないのです。

 WHO声明の問題点については、薬害オンブズパースン会議が詳細な見解を公表しています(「WHOワクチン安全性諮問委員会(GACVS)のHPVワクチンに関する声明(2015年12月17日付)に対する反論」)。