Q42 厚生労働省研究班(祖父江班)が行った疫学調査の結果や問題点を教えてください。

  2016年12月26日に報告された厚生労働省研究班(研究代表者祖父江友孝)による全国疫学調査(以下「祖父江班調査」といいます。)は、「結論」として、「①HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後の症状として報告されている症状と同様の『多様な症状』を呈する者が一定数存在した。」「②本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない。」と述べています。

 

 この調査はしばしばHPVワクチンと副反応との因果関係を否定する根拠として挙げられますが、結論②にあるように、この調査から因果関係がないと判断することはできません。

 

 さらに、結論①も間違っています。結論①では、HPVワクチンを接種しなくても副反応と同様の症状

を示す人が存在するとしています。このような結論を導くためには、どのような症状の人を副反応と同様の症状と判断するのか、という基準を適切に定めることが重要ですが、祖父江班調査では、その基準がきわめて不適切です。

 

 そのため、結論①でいわれている「報告されている症状と同様の『多様な症状』」と、実際の副反応症状とは一致しません。祖父江友孝教授自身が、厚労省の副反応検討部会において、このようなアンケート調査では、接種歴なしの人と接種歴ありの人が同じ性質を持っている人たちなのかは分からないと述べています。したがって、この調査から、HPVワクチンを接種しなくても副反応と同様の症状を示す人が存在するということはできません。


 なお、祖父江班調査では、HPVワクチンの副反応で見られる個々の症状について、接種歴のある人と接種歴のない人の有症率のデータが示されていますが、そこでは、多くの症状で、接種歴のある人の方が接種歴のない人よりも著しく高い有症率となっています。これは、HPVワクチンと副反応の因果関係を示唆する結果です。
 しかし、祖父江班調査の報告がこの事実を全く無視しており、この点も不当です。

 (「全国疫学調査」に対する弁護団の意見はこちら

「全国疫学調査追加分析結果」に対する弁護団の追加意見はこちら