Q HPVワクチンの定期接種化にはどのような問題点があったのでしょうか?

 HPVワクチンは、2013年4月に、A類疾病ワクチンとして定期接種化されました。そもそも、定期接種(A類疾病)ワクチンは、「Q どのような要件を満たせば定期接種(A類疾病)ワクチンとなるのでしょうか?」のような要件を満たす必要があるところ、HPVワクチンがその要件を満たしていなかったことは「Q どのような要件を満たせば定期接種(A類疾病)ワクチンとなるのでしょうか?」記載のとおりですが、定期接種化にはさらに以下のような問題がありました。

 緊急促進事業の実施により、HPVワクチンの接種率は飛躍的に上昇し、これに伴い、多くの重篤な副反応報告が集積していました。

 2013年2月には、PMDAがCRPS(複合性局所疼痛症候群)の国内副反応報告が集積したとして、安全対策の必要性等の検討を開始しました。CRPSとして報告された副反応症例では、広範囲の疼痛だけでなく、しびれ、筋力低下などその他の症状も認められたため、PMDAの検討は、CRPSとして報告された以外の症例にも及びました。

 また、2013年3月以降、HPVワクチン接種後に全身の痛み、しびれ、痙攣、歩行障害等の重篤な副反応が生じた症例についての報道が相次ぎ、3月25日には全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会も発足しました。

 このようにPMDAが副反応についての検討を開始し、副反応が社会問題化している中で、2013年4月にHPVワクチンの定期接種化がされましたが、結局、わずか2か月後の6月には積極的勧奨が差し控えられることとなったのです。